雇用保険の被保険者とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説
雇用保険の被保険者の定義
雇用保険の被保険者(ひほけんしゃ)とは、適用事業に雇用される労働者であり、雇用保険法の加入要件を満たす者のことを指します。
雇用保険の被保険者となるための大前提は、労働基準法第9条で定義される「労働者」であることです。労働基準法第9条では、「労働者」を「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」と定めています。
しかし、労働基準法上の「労働者」であれば、誰もが自動的に雇用保険の被保険者になるわけではありません。被保険者となるためには、さらに雇用保険法で定められている具体的な要件(1週間の所定労働時間や雇用見込み期間など)を満たす必要があります。
【注意】 本記事で参考にしている法令データには、雇用保険法に関する規定が含まれていません。雇用保険の被保険者の具体的な加入要件や適用除外に関する詳細については、必ず最新の雇用保険法の条文を確認してください。
雇用保険の被保険者のポイント
社労士試験において、雇用保険の被保険者の範囲を正確に理解することは極めて重要です。学習のポイントは、労働基準法上の「労働者」という広い概念と、雇用保険法上の「被保険者」という、そこから特定の要件で絞り込まれた概念とを明確に区別することです。
- 基礎となる「労働者」の定義: まずは、すべての基礎となる労働基準法第9条の「労働者」の定義をしっかり押さえましょう。「使用される者」であり「賃金を支払われる者」という2つの要素がポイントです。
- 法律ごとの要件の違いを意識する: 労働基準法が、休憩(第34条)や年次有給休暇(第39条)など、個々の労働契約における最低基準を定めているのに対し、雇用保険法は、失業した際の生活保障などを目的とする社会保険制度です。それぞれの法律の目的が異なるため、対象となる労働者の範囲にも違いが生じます。この「法律の目的と対象者の範囲の連動」を意識すると、横断的な理解が深まります。
具体例で理解する雇用保険の被保険者
具体的な数値要件については最新の法令を確認いただく必要がありますが、考え方の例を以下に示します。
【ケース1:正社員Aさん】
- 週5日、1日8時間勤務の正社員Aさんは、労働基準法第9条の「労働者」に該当します。そして、通常、雇用保険法が定める加入要件(所定労働時間や雇用期間)を満たすため、雇用保険の被保険者となります。
【ケース2:短時間アルバイトBさん】
- 週2日、1日3時間勤務のアルバイトBさんも、会社に使用され賃金を得ているため、労働基準法第9条の「労働者」に該当します。したがって、労働時間に応じた休憩(労働基準法第34条)や、継続勤務期間と出勤率に応じた年次有給休暇(労働基準法第39条)の権利は発生します。
- しかし、雇用保険法で定められている「1週間の所定労働時間」の要件を満たさない場合、Bさんは「労働者」ではあっても、雇用保険の「被保険者」にはなりません。
このように、労働基準法の保護対象である「労働者」と、雇用保険の給付対象となる「被保険者」は、必ずしも一致しないことを具体例でイメージすることが大切です。
試験対策:ひっかけに注意!
社労士試験では、各法律の定義の混同を狙った「ひっかけ問題」が頻出します。特に注意すべきポイントは以下の通りです。
【ひっかけポイント】 「労働基準法上の労働者は、原則としてすべて雇用保険の被保険者となる。」→ ×(誤り)
これは典型的な誤りの選択肢です。前述の通り、雇用保険の被保険者になるためには、労働基準法上の労働者であることに加え、雇用保険法独自の加入要件を満たす必要があります。また、雇用保険法には適用除外とされる者も定められています。
試験対策としては、「労働者」という言葉が出てきた際に、それがどの法律上の概念を指しているのか(労働基準法か、労働組合法か、あるいは雇用保険法上の被保険者の前提となる労働者か)を常に意識する癖をつけましょう。
よくある質問
Q: 労働基準法上の「労働者」と雇用保険の「被保険者」は同じ意味ですか?
A: いいえ、異なります。雇用保険の被保険者は、労働基準法第9条に定義される「労働者」であることが前提となりますが、さらに雇用保険法で定められた加入要件(週の所定労働時間など)を満たす必要があります。したがって、「労働者」であっても必ずしも雇用保険の「被保険者」になるとは限りません。詳細は最新の法令を確認してください。
Q: 36協定(労働基準法第36条)を締結する際の「労働者の過半数を代表する者」は、雇用保険の被保険者でなければなりませんか?
A: そのような要件はありません。36協定を締結する際の労働者代表の要件は、労働基準法で定められており、雇用保険の被保険者であるかどうかは問われません。管理監督者でないことや、投票・挙手等の民主的な手続で選出されていることなどが要件となります。このように、法律ごとに「労働者」の扱いや要件が異なる点を押さえることが重要です。詳細は最新の法令を確認してください。
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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。