就業規則とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説
就業規則の定義
就業規則とは、事業場における労働者の労働条件や守るべき規律などを具体的に定めた、職場のルールブックです。
提供された法令データには就業規則そのものを直接定義する条文はありませんが、就業規則には、労働時間、休憩、休日、休暇、賃金といった労働者の基本的な労働条件に関する具体的なルールが定められます。これらのルールは、労働基準法などの法令で定められた最低基準を満たす必要があります。
なお、常時10人以上の労働者を使用する使用者に作成が義務付けられている就業規則の記載事項や手続きについては、労働基準法第89条以下に詳細な規定があります。詳細は最新の法令を確認してください。
就業規則のポイント
社労士試験では、就業規則が労働基準法の各規定とどのように関連しているかを理解することが重要です。提供された法令データを基に、就業規則における重要ポイントを見ていきましょう。
1. 労働条件の明確化
就業規則は、労働契約の内容を補充し、労働条件を明確にする役割を果たします。特に、労働基準法で定められた最低基準は、就業規則にも正しく反映されなければなりません。
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休憩時間(労働基準法 第34条) 労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を労働時間の途中に与える必要があります。この法定の休憩時間に関するルールは、就業規則に必ず記載しなければならない「始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇」に関する事項(絶対的必要記載事項)の具体例となります。
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年次有給休暇(労働基準法 第39条) 雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者には、10労働日の年次有給休暇を与えなければなりません。この年次有給休暇の付与日数や手続きに関するルールも、休憩時間と同様に、就業規則の絶対的必要記載事項です。
2. 時間外労働の根拠規定
使用者が労働者に時間外労働や休日労働をさせるためには、2つのステップが必要です。
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36協定(さぶろくきょうてい)の締結・届出(労働基準法 第36条) 労働者の過半数で組織する労働組合(ない場合は労働者の過半数代表者)との間で書面による協定(36協定)を締結し、行政官庁に届け出ることで、法律上、時間外労働をさせることが可能になります(免罰的効果)。
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就業規則等による労働契約上の根拠 36協定を締結しただけでは、個々の労働者に対して時間外労働を命じることはできません。就業規則に「業務上の必要がある場合には、36協定の範囲内で時間外労働または休日労働を命じることがある」といった定めを置くことで、初めて労働契約上の義務が発生し、使用者は労働者に時間外労働を命じることができるのです。この点は試験で頻出の重要論点です。
3. 適用対象者
就業規則が適用されるのは、原則としてその事業場で働くすべての「労働者」です。 労働基準法第9条では、「労働者」を「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」と定義しています。したがって、正社員だけでなく、契約社員、パートタイマー、アルバイトなど、雇用形態に関わらず、この定義に該当する者すべてが就業規則の適用対象となります。
具体例で理解する就業規則
就業規則には、労働基準法の規定がどのように反映されるのでしょうか。具体例を見てみましょう。
【就業規則の条文例】
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第〇条(休憩時間)
- 使用者は、労働時間が6時間を超え8時間以下の場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与える。
- (以下、休憩の取得方法など詳細を記載)
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第〇条(年次有給休暇)
- 使用者は、雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、10労働日の年次有給休暇を与える。
- (以下、継続勤務年数に応じた付与日数や取得手続きなどを記載)
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第〇条(時間外労働) 業務上の都合により必要がある場合には、労働基準法第36条第1項に定める協定(36協定)の範囲内において、所定労働時間を超えて労働させ、または所定休日に労働させることがある。
このように、法律の規定を基に、自社の実情に合わせた具体的なルールを定めるのが就業規則です。
試験対策:ひっかけに注意!
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ひっかけポイント1:36協定と就業規則の関係 「36協定を届け出れば、時間外労働を命じることができる」という選択肢は誤りです。前述の通り、36協定の締結・届出に加えて、就業規則等に時間外労働を命じる旨の根拠規定が必要です。この2つが揃って初めて、使用者は労働者に時間外労働を命じることができます。
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ひっかけポイント2:法令、労働協約、就業規則の効力関係 就業規則で定める基準が、法令(労働基準法など)に違反している場合、その違反する部分については無効となります。無効となった部分は、法令で定める基準が適用されます。また、労働協約に反する就業規則の部分も無効となります。この効力関係(法令 > 労働協約 > 就業規則 > 労働契約)は必ず押さえておきましょう。詳細は最新の法令を確認してください。
よくある質問
Q: パートタイマーにも就業規則は適用されますか?
A: はい、原則として適用されます。労働基準法第9条に定める「労働者」に該当すれば、正社員やパートタイマーといった雇用形態にかかわらず、その事業場の就業規則が適用されます。ただし、職務内容や勤務形態が異なるパートタイマーについて、別途パートタイマー用の就業規則を定めることも可能です。
Q: 常時10人未満の労働者しかいない事業場では、休憩や年次有給休暇のルールは守らなくてもよいのですか?
A: いいえ、必ず守らなければなりません。就業規則の作成・届出義務は「常時10人以上の労働者を使用する事業場」に課せられますが、労働基準法第34条の休憩や第39条の年次有給休暇といった規定は、労働者の人数にかかわらず、すべての事業場に適用される法律上の義務です。就業規則の作成義務の有無と、労働基準法の各条文の遵守義務は別の問題であると理解してください。
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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。