女性活躍推進法とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説
女性活躍推進法の定義
女性活躍推進法とは、正式名称を「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」といい、自らの意思によって職業生活を営み、または営もうとする女性がその個性と能力を十分に発揮して活躍できる社会を実現するために制定された法律です。
この法律は、女性の活躍を推進するため、国、地方公共団体、そして事業主それぞれの責務を明らかにするとともに、具体的な取り組みを定めています。
女性活躍推進法のポイント
社労士試験対策として、特に重要なポイントは「一般事業主行動計画」と「女性の活躍に関する情報の公表」、そして「えるぼし認定」の3つです。頻繁に法改正が行われているため、対象となる事業主の範囲(常時雇用する労働者数)を正確に覚えることが合格への鍵となります。
1. 一般事業主行動計画の策定・届出義務
常時雇用する労働者が101人以上の事業主は、女性の活躍推進に向けた「一般事業主行動計画」を策定し、社内へ周知・外部へ公表したうえで、管轄の都道府県労働局へ届け出ることが義務付けられています。
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行動計画に盛り込む事項
- 計画期間
- 数値目標
- 取組内容と実施時期
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策定の流れ
- 自社の女性の活躍状況の把握・課題分析
- 行動計画の策定・社内周知・公表
- 都道府県労働局への届出
- 取組の実施・効果測定(PDCAサイクル)
なお、常時雇用する労働者が100人以下の事業主については、これらの対応は努力義務とされています。
2. 女性の活躍に関する情報の公表義務
求職者などが企業の女性活躍の状況を比較検討できるよう、事業主には情報の公表が義務付けられています。対象となる事業主の規模によって公表すべき内容が異なるため、注意が必要です。
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常時雇用する労働者が301人以上の事業主
- 「男女の賃金の差異」は必須で公表しなければなりません。
- さらに、「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」と「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備」の2つの区分から、それぞれ1項目以上を選択して公表する必要があります。
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常時雇用する労働者が101人以上301人以下の事業主
- 2026年4月1日から、新たに「男女間の賃金差異」と「女性管理職比率」の公表が義務化されます。
- これらに加え、指定された選択項目の中から追加で情報を公表する必要があります。
3. えるぼし認定・プラチナえるぼし認定
女性の活躍推進に関する取り組みの実施状況が優良な企業は、厚生労働大臣の認定(えるぼし認定)を受けることができます。
- えるぼし認定: 5つの評価項目(①採用、②継続就業、③労働時間等の働き方、④管理職比率、⑤多様なキャリアコース)の基準を満たす数に応じて3段階で評価されます。
- プラチナえるぼし認定: えるぼし認定企業のうち、さらに高い水準の要件を全て満たした場合に受けられる特別な認定です。 プラチナえるぼし認定を受けると、一般事業主行動計画の策定・届出が免除されるという特例があります。
認定を受けると認定マークを商品や広告に使用でき、企業イメージの向上や公共調達での加点評価といったメリットがあります。
具体例で理解する女性活躍推進法
【ケース:常時雇用する労働者150人のIT企業】
この企業は、2022年4月1日から一般事業主行動計画の策定・届出義務の対象となりました。
- 現状把握・課題分析: まず、自社の「男女別の平均勤続年数」や「管理職に占める女性比率」などを算出し、「女性管理職が少ない」という課題を特定しました。
- 行動計画の策定: 「3年以内に、管理職に占める女性比率を20%以上にする」という数値目標を設定。そのための取組内容として「女性社員向けのキャリアアップ研修の実施」と「メンター制度の導入」を計画に盛り込みました。
- 周知・公表・届出: 策定した行動計画を社内イントラネットで全従業員に周知し、自社のホームページにも掲載して外部へ公表。その後、管轄の労働局へ「一般事業主行動計画策定・変更届」を電子申請で届け出ました。
- 情報公表: 2026年4月からは、新たに「男女間の賃金差異」と「女性管理職比率」を自社ホームページ等で公表する義務が発生します。
試験対策:ひっかけに注意!
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義務の対象範囲の混同
- 一般事業主行動計画の策定・届出義務: 101人以上
- 「男女の賃金の差異」の公表義務: 301人以上(2026年4月からは101人以上に拡大) この数字の違いは頻出ポイントです。必ず正確に暗記しましょう。
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次世代育成支援対策推進法(次世代法)との混同
- 目的: 女性活躍推進法は「女性の活躍」、次世代法は「仕事と子育ての両立支援」が主な目的です。
- 認定制度: 女性活躍推進法は「えるぼし」「プラチナえるぼし」、次世代法は「くるみん」「プラチナくるみん」です。 名称が似ているため、セットで覚えて混同しないようにしましょう。
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労働者の範囲 「常時雇用する労働者」には、正社員だけでなく、パートタイマーや契約社員など、雇用契約の形式にかかわらず、1年以上継続して雇用されている(またはその見込みがある)労働者も含まれます。 この点で判断を誤らせる問題に注意が必要です。
よくある質問
Q: パートやアルバイトも「常時雇用する労働者」に含まれますか?
A: はい、含まれます。雇用契約の名称にかかわらず、①雇用期間の定めがない、または②過去1年以上の期間について継続して雇用されている、または雇入れの時から1年以上継続して雇用されると見込まれる労働者は「常時雇用する労働者」としてカウントされます。
Q: 「えるぼし認定」を受けると、どんなメリットがありますか?
A: 主に3つのメリットがあります。第一に、認定マークを商品や広告、求人票などに使用でき、女性活躍推進企業であることをアピールできるため、企業イメージの向上や優秀な人材の確保につながります。 第二に、国や地方公共団体の公共調達において加点評価を受けられる場合があります。 第三に、日本政策金融公庫の低利融資制度の対象となることがあります。
Q: 2026年4月からの改正で、中小企業にとって何が一番大きな変更点ですか?
A: 常時雇用する労働者が101人以上300人以下の企業にとって、新たに「男女間の賃金差異」と「女性管理職比率」の公表が義務化される点が最も大きな変更点です。 これまで努力義務だった情報公表の範囲が拡大され、より具体的な情報の開示が求められるようになります。
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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。
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パートやアルバイトも「常時雇用する労働者」に含まれますか?
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