老齢基礎年金とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説
老齢基礎年金の定義
老齢基礎年金とは、国民年金法第26条に基づき、保険料納付済期間または保険料免除期間を有する者が原則として65歳に達したときに支給される国民年金の給付です。 ただし、保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した**受給資格期間(じゅきゅうしかくきかん)**が10年以上あることが必要です。
この10年という期間は、平成29年8月1日に従来の25年から短縮されたもので、社労士試験でも重要な改正点として頻繁に出題されます。
老齢基礎年金のポイント
社労士試験で問われる老齢基礎年金の重要ポイントは、「いつから(支給要件)」「いくらもらえるか(年金額)」の2点に集約されます。それぞれ正確に理解しましょう。
1. 支給要件:受給資格期間は10年以上
老齢基礎年金を受給するためには、以下の期間を合計して10年(120月)以上必要です。
- 保険料納付済期間:国民年金の保険料を納付した期間。第2号被保険者や第3号被保険者であった期間も含まれます。
- 保険料免除期間:法定免除、申請免除(全額・一部)、学生納付特例、納付猶予など、保険料の納付が免除・猶予された期間。
- 合算対象期間(がっさんたいしょうきかん):任意加入しなかった期間など、年金額には反映されませんが、受給資格期間には算入される期間。「カラ期間」とも呼ばれます。
【覚え方のコツ】 「受給資格は**『とう(10)ネン』**以上」と覚えましょう。年金額の計算基礎となる40年(480月)と混同しないように注意が必要です。
2. 年金額の計算:40年(480月)納付で満額
老齢基礎年金の年金額は、20歳から60歳になるまでの40年間(480月)の保険料をすべて納付した場合に満額が支給されます。
満額の年金額(令和8年度):816,000円 (昭和31年4月2日以後生まれの方) ※年金額は毎年改定されます。試験対策上は、具体的な金額そのものより計算式を正確に覚えることが重要です。
年金額の計算式は以下の通りです。
満額 × {(保険料納付済月数 + A) / 480月}
A = (平成21年4月以降の免除期間の評価)
- 全額免除月数 × 4/8
- 4分の3免除月数 × 5/8
- 半額免除月数 × 6/8
- 4分の1免除月数 × 7/8
※平成21年3月以前の免除期間は評価割合が異なります(例:全額免除は1/3)。 試験では、どの時点の免除期間かが問われることがあるため、両方の評価割合を覚えておく必要があります。 ※学生納付特例や納付猶予の期間は、追納しない限り年金額の計算には反映されません。
3. 繰上げ支給と繰下げ支給
原則65歳から受給開始ですが、本人の選択により受給開始時期を変更できます。
- 繰上げ支給:60歳から64歳11月までの間に請求可能。請求月の翌月から支給が開始されます。年金額は1月あたり**0.4%**減額されます(昭和37年4月1日以前生まれの方は0.5%)。 一度繰上げを選択すると、減額率は生涯変わりません。
- 繰下げ支給:66歳から75歳までの間に請求可能。年金額は1月あたり**0.7%**増額されます。 増額率は生涯変わらず、75歳まで繰り下げると最大で84%増額されます。
「老齢基礎年金」― 国年の受給要件、正確に言える?
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具体例で理解する老齢基礎年金
【ケース1】保険料を40年間(480月)納付したAさん
- 受給資格期間:40年 > 10年 → 支給要件クリア
- 年金額:満額の816,000円(令和8年度)を受給できます。
【ケース2】保険料納付済期間30年(360月)、全額免除期間10年(120月、全て平成21年4月以降)のBさん
- 受給資格期間:30年 + 10年 = 40年 > 10年 → 支給要件クリア
- 年金額:816,000円 × {360月 + (120月 × 4/8)} / 480月 = 714,000円
試験対策:ひっかけに注意!
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受給資格期間と年金額計算期間の混同 「受給資格期間10年」はあくまで年金を受け取るための最低条件です。年金額は40年(480月)を基準に計算されるため、納付期間が短いとその分、年金額は少なくなります。
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合算対象期間(カラ期間)の扱い 合算対象期間は、受給資格期間には算入されますが、年金額の計算には全く反映されません。 この点を問う問題は頻出です。
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繰上げ支給のデメリット 繰上げ請求をすると、障害基礎年金や寡婦年金を受給できなくなるなどの制約が生じます。また、振替加算は繰り上げられず65歳からの支給となります。 単に減額されるだけでなく、これらのデメリットもセットで覚えておきましょう。
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付加年金の繰上げ・繰下げ 付加保険料を納付した人が受け取れる付加年金も、老齢基礎年金と連動して繰上げ・繰下げされます。その際の減額率・増額率も老齢基礎年金と同じ率が適用されます。
よくある質問
Q: 学生納付特例の期間は、老齢基礎年金の額に反映されますか?
A: 学生納付特例の期間は、受給資格期間には算入されますが、そのままでは年金額の計算には反映されません。 しかし、10年以内であれば保険料を後から納める「追納(ついのう)」をすることができ、追納した分は保険料納付済期間として年金額に反映されます。
Q: 60歳で会社を退職しましたが、国民年金の納付期間が40年に足りません。年金を増やす方法はありますか?
A: 60歳以上65歳未満の方で、納付済期間が40年(480月)に満たない場合などは、国民年金に任意で加入して保険料を納めることで、老齢基礎年金の額を増やすことができます。これを**任意加入被保険者(にんいかにゅうひほけんしゃ)**といいます。詳細は最新の法令を確認してください。
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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。
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