障害者雇用促進法とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

障害者雇用促進法の定義

障害者雇用促進法(正式名称:障害者の雇用の促進等に関する法律)とは、障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進のための措置、職業リハビリテーションの措置などを総合的に講じ、障害者がその能力に適合する職業に就くことを通じて職業生活において自立することを促進し、もって障害者の職業の安定を図ることを目的とする法律です。

この法律は、すべての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指す理念に基づいています。

障害者雇用促進法のポイント

社労士試験で頻出の重要ポイントは、「法定雇用率制度」「障害者雇用納付金制度」「合理的配慮の提供義務」の3つです。

1. 法定雇用率制度(雇用義務)

一定数以上の労働者を雇用する事業主に対して、その労働者数に「法定雇用率」を乗じて得た人数以上の障害者を雇用することを義務付ける制度です。

  • 対象事業主と法定雇用率(2026年度試験対策)

    • 民間企業:2.7%(2026年7月〜)
    • 対象となる事業主:常用労働者 37.5人以上(2026年7月〜)
    • 国・地方公共団体など:3.0%(教育委員会は2.9%)※2026年4月時点の見込み。詳細は最新の法令を確認してください。
  • 障害者のカウント方法

    • 原則:週所定労働時間30時間以上は「1人」、週20時間以上30時間未満の短時間労働者は「0.5人」としてカウントします。
    • ダブルカウントの特例:重度身体障害者・重度知的障害者は、1人を2人としてカウントします(短時間労働者の場合は1人)。
    • 精神障害者の特例:精神障害者である短時間労働者について、当分の間、一定の要件を満たすことで「1人」としてカウントできる場合があります。
    • 短時間労働者の算定特例:2024年4月から、週10時間以上20時間未満で働く重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者も「0.5人」として算定対象に加わりました。

2. 障害者雇用納付金制度

法定雇用率を達成していない事業主から納付金を徴収し、それを原資として、法定雇用率を超えて障害者を雇用する事業主に調整金や報奨金を支給する制度です。 これにより、事業主間の経済的負担を調整し、障害者雇用の水準を引き上げることを目的としています。

  • 納付金の徴収
    • 対象:常用労働者 100人超の事業主
    • 金額:法定雇用障害者数に不足する障害者1人につき 月額50,000円
  • 調整金・報奨金の支給
    • 障害者雇用調整金:常用労働者100人超で、法定雇用率を超えて雇用する事業主に支給されます。
    • 報奨金:常用労働者100人以下で、一定数を超えて雇用する事業主に支給されます。

3. 差別の禁止と合理的配慮の提供義務

  • 差別の禁止:事業主は、募集・採用、賃金、配置、昇進など、雇用のあらゆる段階で、障害者であることを理由とする不当な差別的取扱いをしてはなりません。
  • 合理的配慮の提供義務:事業主は、障害のある労働者から、職場で働く上での支障を取り除くための配慮を求める意思の表明があった場合、過重な負担にならない範囲で、必要な合理的配慮を提供する法的義務があります。 これは努力義務ではなく、明確な「義務」である点が試験で問われます。

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具体例で理解する障害者雇用促進法

【設例】 常用労働者500人の民間企業(2026年7月以降)

  1. 雇用すべき障害者の数(法定雇用障害者数)の計算

    • 500人 × 2.7% = 13.5人 → 13人(端数は切り捨て)
  2. 実際の雇用状況とカウント

    • 重度身体障害者(週30時間以上):1人 → 1人 × 2 = 2人 としてカウント
    • 精神障害者(週25時間):2人 → 2人 × 0.5 = 1人 としてカウント
    • 知的障害者(週20時間):1人 → 1人 × 0.5 = 0.5人 としてカウント
    • 実雇用障害者数:2人 + 1人 + 0.5人 = 3.5人
  3. 納付金の計算

    • この企業は常用労働者100人超のため、納付金制度の対象です。
    • 不足人数:13人 - 3.5人 = 9.5人 → 9人(不足人数に端数がある場合は切り捨て)
    • 納付金額:9人 × 50,000円/月 = 450,000円/月

試験対策:ひっかけに注意!

  • 法定雇用率の対象と納付金の対象

    • 法定雇用率の義務対象は「常用労働者37.5人以上」の事業主ですが、納付金の徴収対象は「常用労働者100人超」の事業主です。 この範囲の違いを混同しないようにしましょう。
  • 合理的配慮は「義務」

    • 繰り返しになりますが、合理的配慮の提供は「努力義務」ではなく「法的義務」です。 ただし、「事業主に過重な負担を及ぼすこととなる時」は提供義務を負わない、という例外規定もセットで覚えておきましょう。
  • 除外率制度の動向

    • 障害者の就業が困難とされる業種について雇用義務を軽減する「除外率制度」は、廃止の方向で段階的に引き下げられています。 2025年4月にも引き下げが実施されており、将来的には廃止される点に注意が必要です。

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よくある質問

Q: 2026年度の試験では、法定雇用率は2.5%と2.7%のどちらで覚えればよいですか?

A: 2026年度の試験は、通常その年の4月1日時点の施行法令に基づいて出題されます。しかし、障害者雇用促進法の法定雇用率は2026年7月1日に2.7%へ引き上げられることが確定しているため、この改正後の数字が問われる可能性が非常に高いです。 両方の数字と施行時期を正確に覚えておくことが重要です。

Q: 「合理的配慮」の具体例を教えてください。

A: 例えば、車椅子利用者のために机の高さを調整したり、通路を確保すること(物理的環境への配慮)、聴覚障害のある人に筆談や手話通訳で対応すること(意思疎通の配慮)、精神障害のある人のために勤務時間を短縮したり、定期的な面談を行うこと(ルール・慣行の柔軟な変更)などが挙げられます。 重要なのは、障害者本人と事業主が話し合い(建設的対話)、個々の状況に応じて必要な措置を決定していくプロセスです。

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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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公開日: 2026/3/15 / 更新日: 2026/4/24

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