居宅サービスとは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説
居宅サービスの定義
居宅サービスとは、要介護者が可能な限り自宅での生活を継続できるよう、現在の居宅(きょたく)に住んだまま提供される介護サービスの総称です。
介護保険法第8条第1項では、「訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、福祉用具貸与及び特定福祉用具販売」と定義されています。
これらのサービスは、要介護認定を受けた被保険者が、自宅での生活を送りながら、必要な介護や支援を受けることを目的としています。
居宅サービスのポイント
社労士試験対策として、居宅サービスは種類が多く複雑に見えますが、グループ分けして覚えるのが効果的です。大きく「訪問サービス」「通所サービス」「短期入所サービス」「その他のサービス」の4つに分類して整理しましょう。
1. 訪問サービス 専門スタッフが利用者の自宅を訪問して提供するサービスです。
- 訪問介護(ホームヘルプ): 食事や入浴などの「身体介護」と、掃除や買い物などの「生活援助」を行います。
- 訪問入浴介護: 自宅の浴槽での入浴が困難な場合に、専用の浴槽を自宅に持ち込んで入浴の介助を行います。
- 訪問看護: 主治医の指示に基づき、看護師などが自宅を訪問し、療養上の世話や診療の補助を行います。
- 訪問リハビリテーション: 理学療法士などが自宅を訪問し、心身機能の維持回復のためのリハビリを行います。
- 居宅療養管理指導: 医師、歯科医師、薬剤師などが自宅を訪問し、療養上の管理や指導を行います。
2. 通所サービス 利用者が施設に通って日帰りで受けるサービスです。
- 通所介護(デイサービス): デイサービスセンターなどに通い、食事や入浴などの介護、機能訓練、レクリエーションなどを受けられます。
- 通所リハビリテーション(デイケア): 介護老人保健施設や病院などに通い、理学療法士などによる専門的なリハビリを受けられます。
3. 短期入所サービス 介護者の病気や休息(レスパイト)などの理由で、一時的に施設に短期間入所するサービスです。
- 短期入所生活介護(ショートステイ): 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)などに短期間入所し、日常生活上の支援や機能訓練を受けられます。
- 短期入所療養介護(医療型ショートステイ): 介護老人保健施設などに短期間入所し、医療的なケアやリハビリを受けられます。
4. その他のサービス
- 特定施設入居者生活介護: 有料老人ホームやケアハウスなどの「特定施設」に入居している人が受ける、食事や入浴などの介護サービスです。 自宅での生活ではありませんが、介護保険法上は居宅サービスに分類される点が重要です。
- 福祉用具貸与: 日常生活の自立を助けるための福祉用具(車いす、特殊寝台など)をレンタルするサービスです。
- 特定福祉用具販売: 貸与になじまない入浴や排泄に関する福祉用具(腰掛便座、入浴補助用具など)の購入費が支給されます。
試験対策の覚え方のコツ 「訪問5つ、通所2つ、短期入所2つ、その他3つ」のように、まずは数で全体像を把握しましょう。特に「特定施設入居者生活介護」が施設サービスではなく居宅サービスである点は頻出ポイントです。
具体例で理解する居宅サービス
ケース1:一人暮らしのAさん(要介護2)
- 週に2回、訪問介護を利用して、入浴の介助と部屋の掃除をしてもらう。
- 週に3回、**通所介護(デイサービス)**に通い、他の利用者と交流しながら昼食をとり、レクリエーションに参加する。
- 月に1回、医師に居宅療養管理指導をしてもらい、健康状態や薬の管理についてアドバイスを受ける。
ケース2:息子夫婦と同居のBさん(要介護4)
- 家族が旅行に行く1週間、**短期入所生活介護(ショートステイ)**を利用して施設に宿泊する。
- 退院直後でリハビリが必要なため、週に1回、理学療法士に訪問リハビリテーションをしてもらう。
- 寝返りが困難なため、福祉用具貸与で特殊寝台(介護ベッド)と体位変換器をレンタルしている。
試験対策:ひっかけに注意!
1. 地域密着型サービスとの混同 居宅サービスと最も混同しやすいのが「地域密着型サービス」です。 事業者の指定権者と利用対象者が異なります。
- 居宅サービス: 都道府県知事が事業者を指定します。利用者は住所地に関わらず、指定された事業者であれば全国どこでも利用可能です。
- 地域密着型サービス: 市町村長が事業者を指定します。原則として、その市町村の住民しか利用できません。
【ひっかけ例】「小規模多機能型居宅介護」や「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」は、名称に「居宅」と入っていても地域密着型サービスです。
2. 施設サービスとの違い 「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」「介護老人保健施設」「介護医療院」の3つが提供するサービスは「施設サービス」です。 これらは施設に入所して24時間体制の介護を受けるもので、居宅サービスとは明確に区別されます。 前述の通り、「特定施設入居者生活介護」は居宅サービスに分類される点をしっかり押さえましょう。
3. 要支援者向けの「介護予防サービス」との違い 居宅サービスは要介護1~5の認定を受けた人が対象です。要支援1・2の認定を受けた人は、名称が似ている「介護予防サービス」を利用します。(例:介護予防訪問介護、介護予防福祉用具貸与など) 対象者が異なる点を意識しましょう。
よくある質問
Q: 居宅サービスと地域密着型サービスの一番の違いは何ですか?
A: 最も大きな違いは、事業者を指定する権限者と、サービスを利用できる対象者の範囲です。居宅サービスは都道府県知事が指定し、利用者は原則として住所地に関わらず事業者を選べます。一方、地域密着型サービスは市町村長が指定し、原則としてその市町村の住民に限定されるサービスです。
Q: 居宅サービスのケアプランは誰が作成するのですか?
A: 要介護者の場合、「指定居宅介護支援事業者」に所属する介護支援専門員(かいごしえんせんもんいん)、いわゆるケアマネジャーが作成します。この「居宅介護支援」自体も、広義の居宅サービス(保険給付の対象)に含まれますが、利用者への直接的な介護ではなくケアプラン作成を担うサービスとして位置づけられています。詳細は最新の法令を確認してください。
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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。
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