介護保険法とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説
介護保険法の定義
介護保険法(かいごほけんほう)とは、加齢に伴う心身の変化による疾病等で要介護状態(ようかいごじょうたい)になった方々が、尊厳を保持し、能力に応じた自立した日常生活を営めるよう、必要な保健医療・福祉サービスに係る給付を行う「介護保険制度」について定めた法律です。 国民の共同連帯の理念に基づき、社会全体で高齢者の介護を支えることを目的としています。
介護保険法のポイント
社労士試験の「社会保険に関する一般常識」科目で頻出の介護保険法。以下のポイントを確実に押さえましょう。
1. 保険者と被保険者
- 保険者:原則として市町村及び特別区です。 都道府県や国が保険者となることはありません。
- 被保険者(ひほけんしゃ):年齢によって2種類に区分されます。この区分は絶対におさえましょう。
2. 保険事故と給付要件
介護保険のサービス(保険給付)を受けられる条件は、被保険者の区分によって異なります。
- 第1号被保険者:要介護状態・要支援状態になった原因を問われません。 例えば、老化だけでなく、交通事故が原因でも対象となります。
- 第2号被保険者:要介護状態・要支援状態の原因が、加齢に伴って生じる**特定疾病(とくていしっぺい)**によって生じた場合に限定されます。 特定疾病は、がん(末期)や関節リウマチなど16種類が定められています。
3. 保険給付の種類
保険給付は大きく3つに分けられます。
- 介護給付:要介護状態の被保険者に対する給付。
- 予防給付:要支援状態の被保険者に対する給付。
- 市町村特別給付:市町村が条例で独自に定める給付。
4. 財源構成
介護保険の財源は、公費(税金)と保険料が50%ずつで構成されています。 この比率は試験で頻出です。
- 公費(50%):国(25%)、都道府県(12.5%)、市町村(12.5%)で負担します。 ※施設等給付の場合は負担割合が異なります。
- 保険料(50%):第1号被保険者と第2号被保険者が負担します。負担割合は政令で定められ、3年ごとに見直されます。
具体例で理解する介護保険法
東京都世田谷区に住むAさん(75歳・第1号被保険者)が、自宅で入浴中に転倒し、歩行が困難になりました。Aさんは世田谷区役所に要介護認定の申請を行いました。
- 申請:Aさんまたは家族が、世田谷区の窓口で要介護認定の申請をします。
- 認定調査:区の調査員がAさんの自宅を訪問し、心身の状況について聞き取り調査を行います。また、主治医に意見書の作成を依頼します。
- 審査・判定:調査結果と主治医の意見書をもとに、介護認定審査会(かいごにんていしんさかい)が介護の必要度(要支援1・2、要介護1~5、非該当)を判定します。
- 認定・通知:世田谷区は審査会の判定に基づき「要介護2」と認定し、Aさんに結果を通知します。
- サービス利用開始:Aさんはケアマネジャー(介護支援専門員)に相談し、訪問介護やデイサービスの利用を盛り込んだケアプランを作成してもらい、サービス利用を開始します。利用料の原則1割(所得に応じて2~3割)を自己負担します。
試験対策:ひっかけに注意!
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第2号被保険者の「医療保険加入者」要件 40歳以上65歳未満であっても、生活保護受給者で医療保険に加入していない場合は、第2号被保険者にはなりません。年齢要件だけでなく、医療保険加入の要件も忘れないようにしましょう。
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保険者は誰? 保険者はあくまで「市町村及び特別区」です。都道府県は財政安定化基金の設置や市町村への助言・援助を行いますが、保険者ではありません。 国は制度全体の設計や財源負担を行います。
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住所地特例(じゅうしょちとくれい) A市の被保険者が、B市にある介護保険施設に入所するため住民票をB市に移した場合、保険者は原則通りB市になると思いがちです。しかし、この場合、保険者は引き続き転居前のA市となります。 これを住所地特例といい、特定の施設に入所した場合に適用されます。施設がある市町村に財政負担が集中するのを防ぐための制度です。
よくある質問
Q: 40歳になったら、介護保険の加入手続きが必要ですか?
A: いいえ、40歳以上65歳未満で医療保険(健康保険や国民健康保険など)に加入している方は、自動的に介護保険の第2号被保険者となりますので、個別の加入手続きは不要です。 介護保険料は、加入している医療保険の保険料と一体的に徴収されます。
Q: 交通事故で介護が必要になった60歳の会社員は、介護保険サービスを使えますか?
A: いいえ、使えません。60歳の方は第2号被保険者にあたりますが、第2号被保険者が介護保険サービスを利用できるのは、その原因が「特定疾病」である場合に限られます。 交通事故によるケガは特定疾病ではないため、介護保険の対象外となります。
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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。
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