埋葬料とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

埋葬料の定義

埋葬料(まいそうりょう)とは、健康保険の被保険者(ひほけんしゃ)が業務外の事由で亡くなった場合に、その埋葬を行う方に支給される現金給付のことです。

根拠条文は健康保険法第100条です。 この制度は、被保険者の死亡に伴う経済的負担を軽減することを目的としています。

(健康保険法 第100条)

  1. 被保険者が死亡したときは、その者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものに対し、埋葬料として、政令で定める金額(5万円)を支給する。
  2. 前項の規定により埋葬料の支給を受けるべき者がない場合においては、埋葬を行った者に対し、同項の金額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額を支給する。

埋葬料のポイント

社労士試験で問われる埋葬料の重要ポイントを整理しましょう。

| 項目 | 内容 | 試験対策上のポイント | | :--- | :--- | :--- | | 支給要件 | 被保険者が業務外の事由で死亡したこと。 | 業務上・通勤災害による死亡は労災保険の「葬祭料」の対象となり、埋葬料は支給されません。 | | | 資格喪失後3ヶ月以内の死亡など、一定の要件を満たせば支給対象となる場合があります。 | 資格喪失後の給付要件は頻出論点です。 | | 支給額 | 一律5万円 | 金額は必ず暗記してください。健康保険組合によっては、独自の付加給付(埋葬料付加金)が上乗せされる場合があります。 | | 支給対象者 | ① 被保険者に生計を維持されていた者で、埋葬を行う者 | 「生計維持」は、生計の全部または一部を維持されていれば足り、被扶養者(ひふようしゃ)の認定要件より範囲が広いです。 必ずしも親族である必要はありません。 | | | ② ①がいない場合:実際に埋葬を行った者 | この場合、名称が「埋葬費(まいそうひ)」となり、実費の範囲内(5万円上限)で支給されます。 | | 時効 | 埋葬を行った日の翌日から2年 | 埋葬「料」の起算日は「死亡日の翌日」、埋葬「費」の起算日は「埋葬を行った日の翌日」と解釈されています。 この違いを正確に覚えましょう。 |

【覚え方のコツ】埋葬『料』は定『料』5万円」と覚えましょう。「料」はレンタル料のように定額、「費」は食費のようにかかった費用(実費)とイメージすると、埋葬料と埋葬費の違いを覚えやすくなります。

📝

埋葬料」― 健保の給付、整理できてる?

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具体例で理解する埋葬料

ケース1:一般的なケース 会社員のAさんが病気で亡くなりました。Aさんと同居し、生計を共にしていた妻のBさんが喪主として葬儀を行いました。

  • → 妻Bさんに「埋葬料」として5万円が支給されます。

ケース2:身寄りのない方のケース 身寄りのない会社員Cさんが亡くなりました。生計維持関係のある遺族はいません。Cさんの長年の友人Dさんが、ポケットマネーで火葬などの手配を行いました。費用は8万円かかりました。

  • → 友人Dさんに「埋葬費」として、かかった費用の範囲内で5万円を上限に支給されます。この場合、5万円が支給されます。

ケース3:退職後すぐに亡くなったケース 会社を退職して1ヶ月後、Eさんが病気で亡くなりました。Eさんには生計を維持されていた妻Fさんがいます。

  • → Eさんは健康保険の資格喪失後3ヶ月以内の死亡に該当するため、妻Fさんに「埋葬料」として5万円が支給されます。

試験対策:ひっかけに注意!

社労士試験では、類似制度との違いを問う「ひっかけ問題」が頻出します。以下の点を正確に区別しましょう。

  • 埋葬料 vs 埋葬費

    • 埋葬料生計維持関係のある者に支給される定額給付(5万円)。実際に埋葬を行ったかどうかは問われません。
    • 埋葬費:埋葬料を受けられる者がいない場合に、実際に埋葬を行った者に支給される実費弁償的給付(上限5万円)
  • 埋葬料 vs 家族埋葬料

    • 埋葬料被保険者本人が亡くなった場合に支給されます。
    • 家族埋葬料被扶養者が亡くなった場合に、被保険者に対して支給されます。支給額は同じく5万円です。
  • 健康保険 vs 国民健康保険

    • 国民健康保険の加入者が亡くなった場合は、「葬祭費」という名称で市区町村から支給されます。 支給額は自治体によって異なり、3万円~7万円程度です。
  • 健康保険 vs 労災保険

    • 業務上の事由や通勤災害で亡くなった場合は、労災保険から「葬祭料」が支給され、健康保険の埋葬料は支給されません。

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よくある質問

Q: 埋葬に実際にかかった費用が5万円未満でした。埋葬料はいくらもらえますか?

A: 埋葬料は、実際にかかった費用に関わらず、一律5万円が支給されます。 これに対し、埋葬「費」の場合は、実際にかかった費用の範囲内(上限5万円)での支給となります。

Q: 亡くなった人に身寄りがなく、会社が社葬を行いました。会社は埋葬料を受け取れますか?

A: はい、受け取れます。この場合、埋葬料の支給対象者(生計を維持されていた者)がいないため、実際に埋葬を行った会社に対して「埋葬費」として、かかった費用の範囲内(上限5万円)で支給されます。

Q: 亡くなった父は、私の健康保険の被扶養者でした。この場合、私がもらえるのは埋葬料ですか?

A: いいえ、この場合に支給されるのは「家族埋葬料」です。被保険者本人ではなく、被扶養者が亡くなった場合に支給されるもので、支給額は埋葬料と同じ5万円です。

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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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公開日: 2026/3/11 / 更新日: 2026/3/11

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