社会保険労-務士法とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

社会保険労務士法の定義

社会保険労務士法(しゃかいほけんろうむしほう)とは、社会保険労務士の制度を定めて、その業務の適正化を図ることを目的とした法律です。 この法律は、労働関連法令や社会保険法令の円滑な実施を促し、事業の健全な発展と労働者福祉の向上に貢献することを目的としています。

社労士試験では、この目的条文(第1条)の穴埋め問題が頻出するため、キーワードを正確に覚えておくことが重要です。

社会保険労務士法のポイント

社労士試験で特に問われる社会保険労務士法の重要ポイントは、「社労士の業務」「社労士の義務」「懲戒処分」の3つです。

1. 社会保険労務士の業務(第2条)

社労士の業務は、大きく分けて3つに分類されます。特に1号業務と2号業務は「独占業務」とされており、社労士の資格がない者が報酬を得て行うことは法律で禁止されています。

  • 1号業務(手続代行) 労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成、および行政機関への提出代行業務です。 例えば、労働保険の年度更新手続や、健康保険・厚生年金保険の算定基礎届の作成・提出がこれにあたります。

  • 2号業務(帳簿書類作成) 労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類(労働者名簿、賃金台帳、就業規則など)を作成する業務です。

  • 3号業務(コンサルティング) 労務管理やその他労働・社会保険に関する事項についての相談・指導業務です。 人事制度の構築や働き方改革のコンサルティングなどが該当します。これは独占業務ではありません。

2. 社会保険労務士の義務

社労士には、その社会的責任の重さから、様々な義務が課せられています。

  • 品位保持の義務(第1条の2): 常に品位を保ち、公正な立場で誠実に業務を行わなければなりません。
  • 守秘義務(第21条): 正当な理由なく、業務上知り得た秘密を漏らしてはなりません。この義務は、社労士でなくなった後も同様に課せられます。試験ではこの「退職後も続く」点が頻繁に問われます。
  • 不正行為の指示等の禁止(第22条): 不正に労働社会保険の給付を受けることや、保険料の徴収を免れることなどを指示したり、相談に応じたりしてはいけません。
  • 帳簿の備付け・保存義務(第19条): 開業社労士は業務に関する帳簿を備え付け、事件の概要や報酬額などを記載し、閉鎖後2年間保存しなければなりません。

3. 懲戒処分(第25条~)

社労士が義務違反や非行を行った場合、厚生労働大臣によって懲戒処分が下されます。処分の種類と主体を正確に覚えることが重要です。

  • 処分の種類

    1. 戒告(かいこく): 将来を戒める旨の申し渡し。
    2. 1年以内の業務停止: 期間を定めて業務を行うことを禁止。
    3. 失格処分: 社労士の資格を失わせる最も重い処分。
  • 処分の主体: 懲戒処分の権限を持つのは厚生労働大臣です。 全国社会保険労務士会連合会や都道府県の社労士会ではない点に注意が必要です。

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具体例で理解する社会保険労務士法

  • ケース1:就業規則の作成 A社から就業規則の作成を依頼された社労士Bさんは、労働基準法などの法令に則り、A社の実態に合った就業規則を作成しました。これは社労士の独占業務である2号業務に該当します。

  • ケース2:顧問先からの情報漏洩 社労士Cさんが、顧問先であるD社の従業員の給与情報を、興味本位で友人に話してしまいました。これは守秘義務違反にあたり、懲戒処分や罰則の対象となります。

試験対策:ひっかけに注意!

社労士試験では、条文の細かい部分を問う「ひっかけ問題」がよく出題されます。

  • ひっかけポイント1:業務の範囲 「3号業務(コンサルティング)は社労士の独占業務である」という問題は誤りです。ただし、個別労働関係紛争の解決手続代理業務は、特別研修を修了した特定社会保険労務士のみが行える独占業務です。

  • ひっかけポイント2:他士業との関係 弁護士は、弁護士法により社労士の業務を行うことができます。しかし、社労士が弁護士業務(例:裁判での代理人)を行うことはできません。

  • ひっかけポイント3:懲戒処分の主体 前述の通り、懲戒処分を行うのは「厚生労働大臣」です。「全国社会保険労務士会連合会」や「都道府県社会保険労務士会」が処分を行う、という選択肢は誤りです。

  • ひっかけポイント4:守秘義務の期間 「守秘義務は、社会保険労務士を廃業すればなくなる」という選択肢は誤りです。守秘義務は生涯にわたって続きます。

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よくある質問

Q: 特定社会保険労務士とは何ですか?

A: 特定社会保険労務士とは、個別労働関係紛争(労働者と事業主との間のトラブル)について、裁判外紛争解決手続(ADR)における代理人として、あっせんの申請などを行える社会保険労務士のことです。 特別な研修を修了し、試験に合格して名簿に付記登録されることで、この業務を行えるようになります。

Q: 社労士でない人が、報酬を得て労働保険の加入手続きを代行することはできますか?

A: できません。報酬を得て労働・社会保険に関する申請書作成や提出代行を行うこと(1号業務・2号業務)は、社会保険労務士の独占業務です。 これに違反した場合、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」という罰則が科される可能性があります。

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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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公開日: 2026/2/12 / 更新日: 2026/4/24

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