賃金日額とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説
賃金日額の定義
賃金日額(ちんぎんにちがく)とは、雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)などの1日あたりの支給額を計算する基礎となる金額のことです。
雇用保険法第17条では、原則として「算定対象期間において被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く)の総額を180で除して得た額」と定義されています。
簡単に言うと、離職直前6か月間の給料を1日あたりに換算した金額が賃金日額となります。
賃金日額のポイント
社労士試験で賃金日額を攻略するための重要ポイントを3つに絞って解説します。
1. 計算式を正確に覚える
賃金日額の計算は、まず原則をしっかりと押さえることが大切です。
【原則の計算式】
(離職日以前6か月間の賃金総額) ÷ 180
- 分子(賃金総額): 含める賃金と含めない賃金の区別が最重要です。
- 含める賃金: 基本給、役職手当、通勤手当、時間外労働手当など、毎月決まって支払われるもの。
- 含めない賃金: 賞与(ボーナス)、退職金、結婚祝金など、「3か月を超える期間ごと」に支払われる賃金や、臨時・恩恵的な賃金は除外されます。
- 分母(180): 6か月×30日として計算します。実際の暦日数(31日や28日の月があっても)に関わらず「180」で固定されているのがポイントです。
2. 上限額・下限額を把握する
計算された賃金日額には、年齢階層別に上限額と下限額が定められています。 もし計算結果が上限額を超えれば上限額が、下限額を下回れば下限額が、その人の賃金日額となります。
この上限額・下限額は、毎年の賃金変動を反映して毎年8月1日に改定されます。 2026年度試験では、2025年8月1日に改定された金額を覚えておく必要があります。
【2025年8月1日改定の賃金日額の上限額】
- 60歳以上65歳未満: 詳細は最新の法令を確認してください
- 45歳以上60歳未満: 詳細は最新の法令を確認してください
- 30歳以上45歳未満: 詳細は最新の法令を確認してください
- 30歳未満: 詳細は最新の法令を確認してください
【2025年8月1日改定の賃金日額の下限額】
- 全年齢共通: 2,411円
3. 最低保障額のルールを理解する
賃金が日給、時間給、出来高払制などで支払われている場合、労働日数が少ないと原則の計算式では賃金日額が著しく低くなることがあります。 そのため、最低保障のルールが設けられています。
【最低保障の計算式】
(離職日以前6か月間の賃金総額) ÷ (その期間の労働日数) × 70/100
原則の計算式と、この最低保障の計算式を両方行い、いずれか高い方の額が賃金日額となります。
具体例で理解する賃金日額
【設例】
- Aさん(35歳)
- 離職時の賃金:月給35万円(基本給30万円、通勤手当2万円、資格手当3万円)
- 離職前6か月間の賃金総額:35万円 × 6か月 = 210万円
- この期間に夏期賞与60万円の支払いがあった。
【計算】
- 賃金総額の算定: 賞与は「3か月を超える期間ごとに支払われる賃金」に該当するため、賃金日額の計算からは除外します。したがって、賃金総額は210万円です。
- 賃金日額の計算:
210万円 ÷ 180 = 11,666.66...円 - 上限額・下限額の確認: Aさん(35歳)の賃金日額の上限額(2025年8月改定)は、下限額(2,411円)を上回り、上限額の範囲内であるため、切り捨て等の端数処理後の金額が賃金日額となります。詳細は最新の法令を確認してください。
試験対策:ひっかけに注意!
労働基準法の「平均賃金」との混同
社労士試験で最も注意すべきは、労働基準法の「平均賃金」との違いです。 両者は計算期間や分母、最低保障の率が異なります。必ず表などで整理して覚えましょう。
| | 賃金日額(雇用保険法) | 平均賃金(労働基準法) | |:---|:---|:---| | 計算期間 | 原則 6か月 | 原則 3か月 | | 分母 | 180 (固定) | その期間の総日数(暦日数) | | 最低保障 | 労働日数で除した額の 70/100 | 労働日数で除した額の 60/100 |
賃金の範囲
「年4回支給される賞与」のように、支給回数が多くても「3か月を超える期間ごと」に支払われるものであれば、賃金日額の算定基礎から除外されます。支給間隔で判断することを忘れないようにしましょう。
よくある質問
Q: なぜ賞与(ボーナス)は賃金日額の計算に含まれないのですか?
A: 雇用保険法第17条で「3か月を超える期間ごとに支払われる賃金」は算定基礎から除くと明確に定められているためです。 これは、基本手当が日常的な生活を支えるための給付であるため、臨時的・賞与的な性格が強い賃金は除外するという趣旨に基づいています。
Q: 賃金の支払基礎日数が11日未満の月がある場合はどうなりますか?
A: 賃金日額の算定対象となる「最後の6か月間」は、賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上ある月で構成されます。もし11日未満の月があれば、その月は算入せず、条件を満たす月で6か月になるまで遡って計算します。詳細は最新の法令を確認してください。
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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。
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なぜ賞与(ボーナス)は賃金日額の計算に含まれないのですか?
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