雇用保険の給付体系とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

雇用保険の給付体系の定義

雇用保険の給付体系とは、労働者が失業した場合や雇用の継続が困難となった場合に、生活と雇用の安定を図り、再就職を促進するために支給される各種給付の全体像を指します。

雇用保険法第3条では、雇用保険の目的を達成するため、「失業等給付」及び「育児休業給付」を行うと定められています。この2つが、現在の雇用保険給付の大きな柱です。

さらに、「失業等給付」は、以下の4つのカテゴリーに分類されます。

  1. 求職者給付(きゅうしょくしゃきゅうふ):失業中の生活を支え、求職活動を容易にすることを目的とする給付です。一般的に「失業手当」と呼ばれる基本手当などが含まれます。
  2. 就職促進給付(しゅうしょくそくしんきゅうふ):失業者の早期の再就職を援助・促進することを目的とする給付です。再就職手当などがこれにあたります。
  3. 教育訓練給付(きょういくくんれんきゅうふ):労働者の主体的な能力開発の取り組みを支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とする給付です。
  4. 雇用継続給付(こようけいぞくきゅうふ):労働者の職業生活の円滑な継続を援助・促進することを目的とする給付で、高年齢雇用継続給付や介護休業給付が含まれます。

つまり、雇用保険の給付は、大きく「失業等給付」と「育児休業給付」に分かれ、さらに「失業等給付」が4つの柱で構成されている、と理解することが基本となります。

雇用保険の給付体系のポイント

社労士試験対策として、雇用保険の給付体系を覚えるためのポイントは、**「誰が、どのような状況で、何のために受け取る給付か」**を意識して整理することです。

【覚え方のコツ:体系図で全体像を把握する】

雇用保険の給付
├── ① 失業等給付
│   ├── A. 求職者給付(失業したとき)
│   │   └── 基本手当、傷病手当 など
│   ├── B. 就職促進給付(再就職が決まったとき)
│   │   └── 再就職手当、常用就職支度手当 など
│   ├── C. 教育訓練給付(スキルアップするとき)
│   │   └── 一般[教育訓練給付金](/terms/kyouiku-kunren-kyuufukin)、専門実践教育訓練給付金 など
│   └── D. 雇用継続給付(働き続けるため)
│       └── 高年齢雇用継続給付、介護休業給付
└── ② 育児休業給付(育児で休むとき)
    └── [育児休業給付金](/terms/ikuji-kyuugyou-kyuufukin)、出生時育児休業給付金 など

【試験で問われる重要ポイント】

  • 2つの大きな柱:給付体系は「失業等給付」と「育児休業給付」の2本立てであること。特に、育児休業給付は失業等給付には含まれない独立した給付であることを正確に記憶しましょう。
  • 失業等給付の4分類:求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付の4つの名称と、それぞれに含まれる代表的な給付(基本手当、再就職手当など)を関連付けて覚えることが重要です。
  • 対象者の違い:求職者給付は「離職した人」が対象ですが、教育訓練給付や雇用継続給付は「在職中の人」も対象になる場合があります。給付ごとに誰が対象となるかを区別して理解しましょう。
  • 法改正への対応:2025年4月から高年齢雇用継続給付の給付率が引き下げられるなど、法改正が頻繁に行われる分野です。 また、2025年4月からは「育児時短就業給付」、同年10月からは「教育訓練休暇給付金」が創設されるなど、新しい給付も加わっています。 常に最新の情報を確認する姿勢が求められます。

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具体例で理解する雇用保険の給付体系

  • ケース1:自己都合で退職し、再就職を目指すAさん

    1. 退職後、ハローワークで求職の申込みを行い、失業の認定を受ける → 求職者給付である「基本手当」を受給。
    2. 基本手当の所定給付日数を3分の1以上残して、安定した職業に再就職が決まる → 就職促進給付である「再就職手当」を受給。
  • ケース2:働きながらスキルアップしたいBさん

    • 厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講し修了する → 教育訓練給付である「一般教育訓練給付金」を受給。
  • ケース3:60歳以降も賃金が下がりながら働くCさん

    • 60歳到達時の賃金と比較して、60歳以降の賃金が75%未満に低下した → 雇用継続給付である「高年齢雇用継続基本給付金」を受給。
  • ケース4:子どもを養育するために休業するDさん

    • 1歳未満の子を養育するために育児休業を取得する → 育児休業給付である「育児休業給付金」を受給。

試験対策:ひっかけに注意!

社労士試験では、給付体系の正確な理解を問う問題が頻出します。特に以下の点に注意してください。

  • ひっかけポイント1:「育児休業給付」の位置づけ

    • (誤) 雇用保険の給付は、求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付、育児休業給付の5つからなる。
    • (正) 雇用保険の給付は「失業等給付」と「育児休業給付」に大別される。育児休業給付は、かつて雇用継続給付の一部でしたが、法改正により独立した給付体系となりました。 これは、育児休業給付の財源を失業等給付と明確に区分する目的があります。
  • ひっかけポイント2:給付の対象者

    • (誤) 雇用保険の給付は、すべて失業した人が対象である。
    • (正) 雇用継続給付や教育訓練給付のように、在職中の被保険者を対象とする給付も存在します。それぞれの給付の目的と対象者を正確に結びつけて覚えましょう。
  • ひっかけポイント3:法改正による新設・変更

    • 2025年4月から、育児休業から時短勤務で復帰した人を対象とする「育児時短就業給付」が新設されました。 これを従来の「育児休業給付」や「雇用継続給付」と混同しないように注意が必要です。

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よくある質問

Q: なぜ育児休業給付は「失業等給付」と別体系なのですか?

A: 2020年4月の法改正により、育児休業給付は失業等給付から独立しました。 これは、育児休業給付の支給額が増加し続けたことを背景に、失業を前提とする給付とは性質が異なることから、財政運営を明確に区分して安定化させることを目的としています。

Q: すべての給付はハローワークで手続きするのですか?

A: 基本手当など多くの給付は、本人がハローワーク(公共職業安定所)に出向いて手続きを行いますが、育児休業給付や雇用継続給付のように、原則として事業主を経由して申請するものが多くあります。給付の種類によって申請方法が異なる点も覚えておきましょう。

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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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公開日: 2026/3/26 / 更新日: 2026/4/24

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