日雇労働被保険者とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説
日雇労働被保険者の定義
日雇労働被保険者(ひやといろうどうひほけんしゃ)とは、雇用保険法において、「日々雇用される者」または「30日以内の期間を定めて雇用される者」であって、適用事業に雇用される労働者のうち、一定の要件を満たす者を指します(雇用保険法第42条、第43条)。
一般の被保険者とは異なり、日々の雇用関係の変動が激しい労働者の生活安定を図るための特別な制度です。保険料の納付方法や失業した場合の給付内容が一般の被保険者とは大きく異なる点が特徴です。
日雇労働被保険者のポイント
社労士試験で問われる日雇労働被保険者の重要ポイントは以下の通りです。
1. 対象となる労働者
- 日々雇用される者
- 30日以内の期間を定めて雇用される者
2. 手続きと保険料納付
- 日雇労働被保険者手帳の交付: 日雇労働被保険者に該当する者は、管轄の公共職業安定所(こうきょうしょくぎょうあんていじょ、ハローワーク)で「日雇労働被保険者手帳」の交付を受けなければなりません。 資格取得の届出は、適用事業に雇用された日から原則5日以内に行います。
- 雇用保険印紙(こようほけんいんし)による納付: 事業主は、日雇労働被保険者に賃金を支払う都度、その日の賃金日額に応じた等級の「雇用保険印紙」を購入し、被保険者手帳に貼り付けて消印することで保険料を納付します。 この印紙保険料は、事業主と被保険者が原則として折半で負担します。
3. 日雇労働求職者給付金
日雇労働被保険者が失業した場合、一般の被保険者の「基本手当」に代わり、「日雇労働求職者給付金」が支給されます。 これには「普通給付」と「特例給付」の2種類があります。
- 普通給付の支給要件: 原則として、失業した日の属する月の前2か月間に、印紙保険料が通算して26日分以上納付されていることが必要です。
- 特例給付の支給要件: 継続する6か月間に、各月11日分以上、かつ通算して78日分以上の印紙保険料が納付されている場合など、特定の要件を満たす場合に支給されます。 季節的に就労する労働者などを対象としています。
具体例で理解する日雇労働被保険者
【ケース1:建設現場で働くAさん】
Aさんは、日々異なる建設現場で働く日雇労働者です。Aさんはまず、住所地を管轄するハローワークで日雇労働被保険者手帳の交付を受けます。仕事をした日、事業主はAさんの手帳にその日の賃金に応じた雇用保険印紙を貼り、消印します。Aさんは賃金から保険料の半額を控除されます。
ある月、Aさんは仕事が見つからず失業してしまいました。Aさんの手帳を確認すると、前2か月間で合計30日分の印紙が貼られていたため、日雇労働求職者給付金(普通給付)の支給要件を満たしていることが分かりました。Aさんはハローワークで失業の認定を受けることで、給付金を受給し、次の仕事を探す間の生活の安定を図ることができました。
試験対策:ひっかけに注意!
社労士試験では、日雇労働被保険者と一般被保険者との切り替え(適用除外)に関する問題が頻出します。以下のポイントを正確に押さえましょう。
【最重要ひっかけポイント】
日雇労働者として雇用されても、以下のいずれかに該当した場合は、その当初から日雇労働被保険者ではなく、一般の被保険者(または短期雇用特例被保険者)となります。
- 前2か月の各月において18日以上、同一の事業主の適用事業に雇用された場合(その翌月の初日から切り替え)
- 同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用された場合(31日以上雇用されるに至った日から切り替え)
(例) 4月1日から25日間の雇用契約で働き始めたが、契約が更新され、結果的に5月10日まで継続して40日間働いた。この場合、継続して31日以上雇用されたことになるため、働き始めた4月1日に遡って一般の被保険者として扱われます。
ただし、公共職業安定所長の認可を受ければ、これらの要件に該当しても引き続き日雇労働被保険者でいることも可能です。
よくある質問
Q: 30日契約で働いていましたが、契約が延長されて合計40日になりました。いつから一般の被保険者になりますか?
A: 同一の事業主に継続して31日以上雇用された場合、原則として雇用された初日に遡って一般の被保険者として扱われます。 したがって、このケースでは初日から一般被保険者となります。
Q: 日雇労働被保険者も育児休業給付や介護休業給付をもらえますか?
A: いいえ、日雇労働被保険者は育児休業給付や介護休業給付、高年齢雇用継続給付などの対象とはなりません。これらの給付は、一般の被保険者等が対象となります。
Q: アルバイトやパートは日雇労働被保険者になりますか?
A: 雇用契約の期間によります。「日々雇用」または「30日以内の期間を定めた雇用」であれば、日雇労働被保険者に該当する可能性があります。 しかし、契約期間の定めがない、または31日以上の長期契約で、週の所定労働時間などの要件を満たす場合は、一般の被保険者や短時間労働被保険者となります。
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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。
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