標準報酬月額の上限と下限とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説
標準報酬月額の上限と下限の定義
標準報酬月額(ひょうじゅんほうしゅうげつがく)とは、厚生年金保険や健康保険の保険料額や、将来受け取る年金額を計算する基礎となる金額のことです。被保険者が事業主から受け取る給料などの報酬の月額を、一定の範囲(等級)で区分したものをいいます。
厚生年金保険法では、この標準報酬月額に上限と下限が設けられています(厚生年金保険法第20条)。 2026年現在、標準報酬月額は第1級の88,000円から第32級の650,000円までの32等級に区分されています。
- 下限: 第1級 88,000円
- 上限: 第32級 650,000円
つまり、報酬月額が83,000円未満の場合は第1級の88,000円が、報酬月額が635,000円以上の場合は第32級の650,000円が、それぞれ標準報酬月額として適用され、保険料が計算されます。
【法改正情報】 2025年(令和7年)6月に成立した年金制度改正法により、厚生年金保険の標準報酬月額の上限が段階的に引き上げられることが決定しています。 具体的には、令和9年9月から3段階で上限が引き上げられ、最終的に75万円となる予定です。 2026年度の試験では、現行の制度と合わせて、この法改正の動向も把握しておくことが重要です。
標準報酬月額の上限と下限のポイント
社労士試験で問われる重要なポイントを整理しましょう。
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上限は65万円、下限は8万8千円 現在の厚生年金保険の標準報酬月額は、上限が第32級の650,000円、下限が第1級の88,000円です。 この金額は必ず暗記してください。
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健康保険との違いを明確に! これが最大の頻出ポイントです。健康保険の標準報酬月額は、下限が58,000円、上限が1,390,000円(全50等級)となっており、厚生年金保険とは大きく異なります。 両者の数値を混同しないように、正確に覚え分けることが合格への鍵となります。
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覚え方のコツ(ゴロ合わせ)
- 厚生年金: 「厚い年金、パパ(88)も老後(65)も安心)」 → 下限88,000円、上限650,000円
- 健康保険: 「健康第一、母(58)も父さん苦労(139)する」 → 下限58,000円、上限1,390,000円
このように、制度ごとにイメージの湧きやすいゴロ合わせで覚えると、記憶に定着しやすくなります。
「標準報酬月額の上限と下限」― 厚年の加給年金、条件を覚えてる?
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具体例で理解する標準報酬月額の上限と下限
実務ではどのように適用されるのか、具体例で見ていきましょう。
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ケース1:報酬月額が上限を超えるAさん Aさんの月々の報酬(基本給、諸手当など)の合計額が70万円だったとします。この場合、厚生年金保険の標準報酬月額の上限である650,000円(第32級)が適用されます。 したがって、Aさんの厚生年金保険料は、70万円ではなく65万円を基準に計算されます。
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ケース2:報酬月額が下限を下回るBさん 短時間労働者であるBさんの月々の報酬合計額が8万円だったとします。この場合、厚生年金保険の標準報酬月額の下限である88,000円(第1級)が適用されます。 よって、Bさんの厚生年金保険料は、8万円ではなく8万8千円を基準に計算されることになります。
試験対策:ひっかけに注意!
標準報酬月額の上限・下限は、他の制度との混同を狙った「ひっかけ問題」が非常に出題されやすい論点です。以下の点に特に注意してください。
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健康保険との混同【最重要】 前述の通り、健康保険の上限(1,390,000円)と厚生年金保険の上限(650,000円)の数値は全く異なります。 問題文で問われているのが「厚生年金保険法」なのか「健康保険法」なのかを必ず確認しましょう。
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標準賞与額の上限との混同 賞与(ボーナス)から保険料を計算する際の基礎となる「標準賞与額(ひょうじゅんしょうよがく)」にも上限があります。厚生年金保険における標準賞与額の上限は、「1回につき150万円」です。 月々の給与に関する「標準報酬月額」の上限(65万円)と、賞与に関する「標準賞与額」の上限(150万円)を取り違えないようにしましょう。
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等級数の違い 厚生年金保険の等級数は「32等級」ですが、健康保険は「50等級」です。 この数字も比較して覚えておくと、知識の精度が上がります。
よくある質問
Q: なぜ標準報酬月額に上限と下限が設けられているのですか?
A: 上限を設ける目的は、高所得者の保険料負担が際限なく増え続けることを防ぎ、企業の負担も考慮するためです。また、将来の年金給付額が過度に高額になることを避ける意味合いもあります。 一方で、下限を設けるのは、低所得者であっても一定の保険料を負担してもらうことで、最低限の年金給付を保障するという目的があります。
Q: 健康保険の標準報酬月額の上限・下限と、なぜ金額が違うのですか?
A: 健康保険と厚生年金保険では、制度の目的や給付内容が異なるためです。健康保険は主に短期的な疾病や負傷等に備える医療保障制度であるのに対し、厚生年金保険は長期的な老後の生活保障を目的とした所得保障制度です。それぞれの制度の財政状況や給付と負担のバランスを考慮して、異なる上限・下限額が設定されています。
Q: 2027年からの上限引き上げは、試験でどのように問われますか?
A: 2026年度試験では、まず現行の制度(上限65万円)を正確に理解しているかが問われます。その上で、附則や法改正の内容として、将来的に上限が段階的に引き上げられる予定であることを知っているか、という形式で問われる可能性があります。「令和9年9月から上限が変更される」といった具体的な施行時期や、新しい等級・金額(68万円、71万円、75万円)を問う選択肢が含まれることも考えられます。
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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。
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