養育期間の従前標準報酬月額みなし措置とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

養育期間みなし措置の定義

養育期間の従前標準報酬月額みなし措置(よういくきかんのじゅうぜんひょうじゅんほうしゅうげつがくみなしそち)とは、3歳未満の子を養育する被保険者の標準報酬月額が、養育前よりも低下した場合に、年金額の計算上は養育前の高い標準報酬月額で計算する特例措置です。厚生年金保険法第26条に規定されています。

短時間勤務等で給与が下がっても将来の年金額が不利にならないようにする、子育て支援のための制度です。

養育期間みなし措置のポイント

1. 制度の趣旨

育児のために短時間勤務をしたり、残業を減らしたりすると、報酬が低下し標準報酬月額も下がります。通常であれば低下した標準報酬月額が年金額に反映されてしまいますが、この措置により年金額の計算に限り従前の高い標準報酬月額がみなし適用されます。

重要: 実際に納付する保険料は低下後の標準報酬月額で計算されます。つまり、保険料は安く、年金額は高く計算されるという被保険者に有利な仕組みです。

2. 適用要件

  • 3歳未満の子を養育する厚生年金被保険者であること
  • 養育期間中の標準報酬月額が、養育開始月の前月の標準報酬月額(従前標準報酬月額)を下回ること
  • 被保険者の申出があること

3. 対象期間

  • 開始: 養育を開始した月(子の出生月等)
  • 終了: 以下のいずれか早い日の属する月の前月まで
    • 子が3歳に達した日
    • 被保険者が資格を喪失した日
    • 他の子の養育開始により新たにみなし措置が適用された日
    • 子が死亡した日等

4. 従前標準報酬月額とは

養育開始月の前月の標準報酬月額が「従前標準報酬月額」となります。養育期間中の各月の標準報酬月額が従前標準報酬月額を下回る場合に、年金額の計算上は従前標準報酬月額が使用されます。

養育期間中の標準報酬月額が従前標準報酬月額以上である月については、みなし措置は適用されず、実際の標準報酬月額で計算されます(つまり、被保険者にとって常に有利な方が適用される)。

5. 男女の区別なし

この措置は男女を問わず適用されます。父親が育児のために短時間勤務をして報酬が下がった場合も対象です。また、育児休業をしていなくても、3歳未満の子を養育していれば申出可能です。

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産前産後・育児休業期間中の保険料免除との関係

| 制度 | 対象期間 | 保険料 | 年金額 | |------|---------|--------|-------| | 産前産後休業期間中の免除 | 産前42日〜産後56日 | 免除 | 従前の標準報酬月額で計算 | | 育児休業期間中の免除 | 育休開始〜子が3歳まで | 免除 | 従前の標準報酬月額で計算 | | 養育期間みなし措置 | 子が3歳になるまで | 実際の報酬額で納付 | 従前の標準報酬月額で計算 |

違い: 保険料免除は保険料自体が免除される制度ですが、養育期間みなし措置は保険料は実際に納付し、年金額の計算だけ有利にする制度です。

具体例で理解する養育期間みなし措置

【設例】 S氏(女性、標準報酬月額32万円)が出産後に育児短時間勤務に移行し、標準報酬月額が24万円に低下した場合。

  1. 従前標準報酬月額: 32万円
  2. 養育期間中の標準報酬月額: 24万円(< 32万円)
  3. → みなし措置を申出
  4. 保険料: 24万円 × 保険料率 で計算(実際の低い報酬で納付)
  5. 年金額: 32万円(従前の高い標準報酬月額)で計算
  6. 子が3歳になるまでこの措置が適用される

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試験対策:ひっかけに注意!

  • 「3歳未満」が対象: 育児休業期間中の保険料免除も「3歳まで」ですが、養育期間みなし措置も同じく「3歳まで」
  • 申出が必要: 自動的に適用されるのではなく、被保険者の申出が必要です
  • 保険料は変わらない: あくまで「年金額の計算」上のみなし措置。保険料は実際の標準報酬月額で計算されます
  • 男性も対象: 母親だけでなく、父親も対象。性別による制限はありません
  • 複数の子の場合: 第2子が生まれた場合は新たにみなし措置が適用され、従前標準報酬月額も更新されます

よくある質問

Q: 育児休業期間中でもみなし措置の申出が必要ですか?

A: 育児休業期間中は保険料免除制度(法81条の2の2)が適用され、免除期間中の標準報酬月額は従前の額で年金額が計算されます。したがって、育児休業中にさらにみなし措置を重ねて申出する必要はありません。みなし措置が特に重要になるのは、育児休業から復帰して短時間勤務に移行した後の期間です。

Q: 養育期間みなし措置は厚生年金だけの制度ですか?

A: はい、この制度は厚生年金保険法に規定されており、厚生年金の年金額計算にのみ適用されます。国民年金(老齢基礎年金)や健康保険には同様の制度はありません。

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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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公開日: 2026/4/24 / 更新日: 2026/4/24

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