老齢基金対象期間とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

老齢基金対象期間の定義

老齢基金対象期間(ろうれいききんたいしょうきかん)とは、**厚生年金基金(こうせいねんきんききん)の加入員であった被保険者期間**のことを指します。

厚生年金基金は、国の老齢厚生年金の一部(代行部分)を国に代わって支給するとともに、企業が独自に上乗せ給付(プラスアルファ部分)を行う制度でした。 しかし、財政状況の悪化などから、2014年(平成26年)4月1日に厚生年金保険法が改正され、厚生年金基金の新設は認められなくなり、既存の基金は解散や他の企業年金制度への移行が進められています。

このため、現在では過去に厚生年金基金に加入していた方の年金額を計算する際に、この「老齢基金対象期間」が重要な意味を持つことになります。

老齢基金対象期間のポイント

社労士試験対策として、老齢基金対象期間について押さえるべき最重要ポイントは、老齢厚生年金の額の計算方法です。

国から支給される老齢厚生年金の調整

老齢基金対象期間がある人の老齢厚生年金(報酬比例部分)は、本来の額から基金が代行していた部分に相当する額が控除されて、国から支給されます。これは、代行部分を国ではなく基金が支払う(支払っていた)ため、二重払いを防ぐための調整です。

【計算式のイメージ】 国から支給される老齢厚生年金 = 本来の老齢厚生年金額 - 代行部分相当額

この代行部分の控除を理解しているかが、試験で問われる核心部分となります。

基金が解散・代行返上した場合の取り扱い

加入していた厚生年金基金がすでに解散したり、代行部分を国に返上(代行返上)したりしている場合、取り扱いが変わります。この場合、国が代行部分の支払い義務を引き継ぐため、代行部分の控除は行われず、本来の老齢厚生年金が全額、国から支給されることになります。

プラスアルファ部分については、解散時に残余財産があれば分配金として一時金で支払われたり、企業年金連合会に移換されて「通算企業年金」として終身年金で受け取れたりする場合があります。

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具体例で理解する老齢基金対象期間

【設例】 Aさん(65歳)の本来の老齢厚生年金(報酬比例部分)の年額が120万円と計算されました。Aさんには、過去にB厚生年金基金に加入していた「老齢基金対象期間」があり、その期間に相当する代行部分の年金額は30万円です。

ケース1:B厚生年金基金が存続している場合

  • 国から支給される老齢厚生年金:120万円 - 30万円 = 90万円
  • B厚生年金基金から支給される年金:30万円 + 独自の上乗せ給付

ケース2:B厚生年金基金がすでに解散し、代行返上を完了している場合

  • 国から支給される老齢厚生年金:120万円(控除なし)
  • B厚生年金基金からの支給:なし(解散時の分配金等で対応済み)

このように、基金の状況によって国からの支給額が変わる点をしっかり理解しましょう。

試験対策:ひっかけに注意!

社労士試験では、制度の正確な理解を問う「ひっかけ問題」が出題されます。以下のポイントに注意してください。

  • 加給年金額は控除されない 老齢基金対象期間があっても、配偶者や子がいる場合に加算される加給年金額(かきゅうねんきんがく)は、代行部分の控除の対象にはなりません。 全額が国から支給されます。

  • 在職老齢年金の計算における注意点 在職老齢年金による支給停止額を計算する際の「基本月額」は、厚生年金基金に加入しなかったと仮定して計算した、控除前の老齢厚生年金の額を基に算出します。 つまり、代行部分を控除する前の本来の年金額で判断する、という点が重要です。

  • 確定給付企業年金(DB)との混同 厚生年金基金制度の受け皿として「確定給付企業年金(DB)」があります。 これらは別の制度であり、「老齢基金対象期間」はあくまで厚生年金基金の加入員期間を指します。制度の変遷を理解し、混同しないようにしましょう。

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よくある質問

Q: 自分の「ねんきん定期便」に老齢基金対象期間の記載があります。どういう意味ですか?

A: 過去に厚生年金基金に加入していた期間があることを示しています。その期間分の老齢年金の一部(代行部分)は、国からではなく、その厚生年金基金、または基金が解散している場合は企業年金連合会などから支給される可能性があります。ご自身が加入していた基金の現在の状況を確認することをお勧めします。

Q: 厚生年金基金制度はもう下火なのに、なぜ試験で勉強する必要があるのですか?

A: 制度としては縮小していますが、過去に加入していた受給者はまだ数多く存在し、年金の計算実務においてこの知識は不可欠だからです。 また、他の企業年金制度との比較や、複雑な年金制度の沿革を理解しているかを問う目的で、今後も基本的な知識が問われる可能性は十分にあります。

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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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公開日: 2026/3/26 / 更新日: 2026/4/24

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