所定給付日数とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説
所定給付日数の定義
所定給付日数(しょていきゅうふにっすう)とは、雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)を受給できる上限日数のことです。 この日数は、離職した人の年齢、雇用保険の被保険者であった期間(算定基礎期間)、そして離職した理由によって90日から360日の間で決定されます。
雇用保険法第22条および第23条に定められており、失業中の生活を支え、再就職を促進するための重要な仕組みです。 受給期間(原則として離職日の翌日から1年間)内において、この所定給付日数を限度として基本手当が支給されます。
所定給付日数のポイント
社労士試験で所定給付日数をマスターするには、日数が何によって決まるのか、その構造を理解することが最も重要です。ポイントは以下の3つの区分です。
これらの区分によって、適用される日数のテーブルが異なります。特に「特定受給資格者」は、倒産や解雇など会社都合で離職した人であり、手厚く保護されるため日数が多く設定されています。
1. 一般の受給資格者(自己都合退職など)
定年退職や、正当な理由のない自己都合で退職した方が該当します。 この区分では年齢による違いはなく、被保険者であった期間のみで日数が決まります。
| 被保険者であった期間 | 所定給付日数 | | :--- | :--- | | 10年未満 | 90日 | | 10年以上20年未満 | 120日 | | 20年以上 | 150日 |
(出典:厚生労働省ハローワークインターネットサービスの情報に基づき作成)
2. 就職困難者
身体障害、知的障害、精神障害のある方や、社会的事情により就職が著しく阻害されている方などが該当します。 一般の受給資格者よりも手厚い日数となっています。
| 離職時の年齢 | 被保険者であった期間 | 所定給付日数 | | :--- | :--- | :--- | | 45歳未満 | 1年未満 | 150日 | | | 1年以上 | 300日 | | 45歳以上65歳未満 | 1年未満 | 150日 | | | 1年以上 | 360日 |
(出典:厚生労働省ハローワークインターネットサービスの情報に基づき作成)
3. 特定受給資格者・特定理由離職者
倒産・解雇などにより再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀なくされた「特定受給資格者」や、正当な理由のある自己都合退職などで離職した「特定理由離職者」の一部がこの区分に該当します。 この区分は年齢と被保険者であった期間の両方で日数が細かく定められており、最も手厚い給付日数となる場合があります。
| 離職時の年齢 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 | | :--- | :--- | :--- | :--- | :--- | :--- | | 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | - | | 30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | | 35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 240日 | 270日 | - | | 45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 | | 60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
※特定理由離職者のうち、期間の定めのある労働契約が更新されなかったことなどにより離職した者(雇止めなど)は、特例により2027年3月31日までの離職であれば特定受給資格者と同様の日数が適用されます。
【覚え方のコツ】 この複雑な表は、丸暗記するのではなく、基準となる数字や規則性を見つけて覚えるのが効率的です。 例えば、「一般は90, 120, 150」「特定受給資格者の30歳未満は90, 90, 120, 180」のように、まずは一部を確実に覚え、そこから他の部分との関連性で広げていく方法があります。
具体例で理解する所定給付日数
ケース1:自己都合で退職したAさん
- 年齢:35歳
- 被保険者期間:8年
- 離職理由:自己都合退職
Aさんは「一般の受給資格者」に該当します。年齢は関係なく、被保険者期間が「10年未満」なので、所定給付日数は90日となります。
ケース2:会社の倒産で離職したBさん
- 年齢:48歳
- 被保険者期間:15年
- 離職理由:会社の倒産
Bさんは「特定受給資格者」に該当します。年齢「45歳以上60歳未満」、被保険者期間「10年以上20年未満」の区分に当てはまるため、所定給付日数は270日となります。
試験対策:ひっかけに注意!
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年齢の基準日 所定給付日数を決定する際の年齢は、**「離職した日」**における満年齢です。「受給資格決定日」ではありませんので注意しましょう。
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算定基礎期間と被保険者期間 所定給付日数を決定する際に用いるのは「算定基礎期間」です。これは、原則として同一の事業主に継続して雇用された期間を指します。一方で、そもそも基本手当の受給資格を得るためには、原則として離職日以前2年間に「被保険者期間」が通算して12か月以上必要です。この2つの期間の概念を混同しないようにしましょう。
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延長給付との違い 所定給付日数は、あくまで基本となる給付日数です。 これとは別に、ハローワークの指示で公共職業訓練を受ける場合の「訓練延長給付」や、失業状況が著しく悪化した際の「全国延長給付」など、所定給付日数を超えて手当が支給される制度があります。 これらは所定給付日数そのものが増えるわけではない点を理解しておきましょう。
よくある質問
Q: 在職中に65歳になりました。退職した場合の所定給付日数はどうなりますか?
A: 65歳に達した日以後に離職した場合は、基本手当ではなく「高年齢求職者給付金」という一時金が支給されます。そのため、所定給付日数という考え方は適用されません。高年齢求職者給付金の日数は、被保険者であった期間に応じて30日分または50日分となります。
Q: パートタイマーでも所定給付日数は同じですか?
A: はい、同じです。所定給付日数は、正社員やパートタイマー、契約社員といった雇用形態によって変わることはありません。雇用保険の被保険者であり、受給要件を満たしていれば、被保険者であった期間や離職理由、年齢に応じて、同じ基準で所定給付日数が決定されます。
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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。
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