受給資格とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

受給資格の定義

受給資格(じゅきゅうしかく)とは、雇用保険の被保険者(ひほけんしゃ)が失業した場合に、求職者給付の基本手当(きほんてあて)、いわゆる「失業保険」の支給を受けるために必要となる資格のことです。

雇用保険法第13条第1項では、この受給資格を得るための要件を定めています。具体的には、原則として「離職の日以前2年間」に「被保険者期間が通算して12か月以上」あることが必要です。

ただし、倒産・解雇などによる離職者(特定受給資格者(とくていじゅきゅうしかくしゃ))や、正当な理由のある自己都合離職者(特定理由離職者(とくていりゆうりしょくしゃ))については、この要件が緩和されています。

受給資格のポイント

社労士試験で受給資格を理解する上で、最も重要なのは「被保険者期間」の要件を正確に覚えることです。原則と例外のパターンをしっかり区別しましょう。

1. 被保険者期間の原則と例外

  • 原則(一般の離職者)

    • 離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること。
  • 例外(特定受給資格者・特定理由離職者)

    • 離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あること。

【覚え方のコツ】

  • 原則:「兄さん(2年)、自由に(12か月)なりたい自己都合」
  • 例外:「父さん(1年)、無職(6か月)は会社のせい」

2. 「被保険者期間」のカウント方法

被保険者期間の1か月は、単純な暦の1か月(1日~末日)ではありません。ここが試験で狙われやすいポイントです。

  • カウントのルール
    1. 離職日から遡って1か月ごとに区切ります。
    2. 区切った各期間において、賃金支払の基礎となった日数が11日以上ある月を「1か月」とカウントします。
    3. または、賃金支払の基礎となった労働時間数が80時間以上ある月も「1か月」としてカウントできます。

この労働時間による基準は、多様な働き方に対応するために追加された比較的新しいルールなので、必ず押さえておきましょう。

3. 算定対象期間の延長

離職日以前の2年間(または1年間)に、病気、けが、出産、育児などの理由で引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった場合は、その日数を最大2年(合計で最大4年)まで延長して、被保険者期間の要件を満たすか判断することができます。この特例も重要です。

受給資格」― 雇用保険の数字、覚えてる?

全問解説付き・無料の社労士過去問アプリ

いますぐ過去問を解くApp Store / Google Play 対応

具体例で理解する受給資格

【ケース1:原則を満たすAさん】

  • 離職日: 2026年3月31日(自己都合退職)
  • 勤務期間: 2024年4月1日~2026年3月31日
  • 勤務状況: 毎月20日勤務
  • 判定: 離職日以前2年間(2024年4月1日~2026年3月31日)において、すべての月で賃金支払基礎日数が11日以上あるため、被保険者期間は24か月となります。原則である「12か月以上」をクリアしているため、受給資格ありとなります。

【ケース2:例外に該当するBさん】

  • 離職日: 2026年9月30日(会社の倒産による離職=特定受給資格者)
  • 勤務期間: 2026年3月1日~2026年9月30日
  • 勤務状況: 毎月15日勤務
  • 判定: 特定受給資格者のため、離職日以前1年間(2025年10月1日~2026年9月30日)で判断します。被保険者期間は7か月となり、例外の「6か月以上」をクリアしているため、受給資格ありとなります。

試験対策:ひっかけに注意!

  • 期間の起算点: 「離職の日以前」という表現に注意。「離職日を含まず、その前日から遡る」と覚えましょう。
  • 原則と例外の混同: 問題文の離職理由をしっかり読み取り、一般の離職者なのか、特定受給資格者・特定理由離職者なのかを正確に判断することが不可欠です。
  • 被保険者期間のカウント: 暦月ではなく、「離職日から遡って区切る」ことを忘れないようにしましょう。また、「11日以上」または「80時間以上」という数字を正確に暗記してください。

ここまでの知識、過去問で試してみませんか?

読んだ内容がそのまま出題されます。解説付きで理解度を確認できます。

よくある質問

Q: パートやアルバイトでも受給資格は得られますか?

A: はい、得られます。雇用形態にかかわらず、週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがあるなど、雇用保険の被保険者要件を満たしていれば、正社員と同様に受給資格の要件を満たすことで基本手当を受給できます。

Q: 転職を繰り返した場合、前の会社の期間も通算できますか?

A: はい、通算できます。離職日以前の2年間(または1年間)に複数の会社で被保険者であった期間がある場合、それらは通算して計算されます。ただし、一度基本手当の受給資格決定を受けると、その決定に係る離職日より前の被保険者期間はリセットされ、次の受給資格の算定には含まれなくなります。

Q: 病気で長期間休んでいましたが、受給資格はありますか?

A: 離職日以前2年間に、病気やけがなどの理由で30日以上継続して賃金の支払を受けられなかった期間がある場合、その期間を加えて最大4年まで算定期間を延長できる特例があります。この延長により、被保険者期間が12か月(または6か月)以上となれば、受給資格を得られる可能性があります。詳細は最新の法令を確認してください。

この用語に関連する過去問に挑戦

この用語の理解度をチェックしましょう。社労士過去問クイズアプリで関連する過去問を解くことができます。

過去問に挑戦する


※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

受給資格」の理解度をチェック

社労士過去問クイズ 2026

社労士過去問クイズ 2026 - AI解説機能のアプリ画面
腕試しこの用語から出題

パートやアルバイトでも受給資格は得られますか?

雇用保険法だけで100問以上
全問解説付き・完全無料
2026年試験対応

公開日: 2026/3/3 / 更新日: 2026/4/24

雇用保険法の他の記事

能力開発事業とは?雇用保険二事業の財源と実施内容を解説

能力開発事業(のうりょくかいはつじぎょう)とは、政府が、被保険者、被保険者であった者です。雇用保険法第63条に定められており、雇用安定事業と合わせて「雇用保険二事業(こようほけんにじぎょう)」と呼ばれています。条文では「政府は、…(中略)…能力開発事業として、次の事業を行うことができる。

就職促進給付とは?4つの手当の支給要件と支給額を比較表で解説

就職促進給付(しゅうしょくそくしんきゅうふ)とは、雇用保険法に定められた失業等給付の一つで、失業された方の早期の再就職を促進・支援しです。3. 求職活動支援費: 求職活動に伴う費用を支援するもので、広域求職活動費、短期訓練受講費、求職活動関係役務利用費があります。

雇用保険の適用除外とは?対象外となる7つのケースを一覧で解説

雇用保険の適用除外とは、労働者を雇用する事業(適用事業)で働いていても、特定の要件に該当することにより、雇用保険の被保険者とならないことを指します。これは雇用保険法第6条に定められており、試験対策上、正確な理解が不可欠です。2026年度の試験では現行法が問われますが、将来的な改正動向として頭に入れておきましょう。

雇用保険の給付体系とは?4つの柱と給付種類の全体像を図解で解説

雇用保険の給付体系とは、労働者が失業した場合や雇用の継続が困難となった場合に、生活と雇用の安定を図り、再就職を促進するために支給される各種給付の全体像を指します。雇用保険法第3条では、雇用保険の目的を達成するため、「失業等給付」及び「育児休業給付」を行うと定められています。

雇用安定事業とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

雇用安定事業(こようあんていじぎょう)とは、政府が被保険者等の失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大その他雇用の安定を図るために行う事業のことです。雇用保険法第62条に定められており、能力開発事業と合わせて「雇用保険二事業(こようほけんにじぎょう)」と呼ばれています。

日雇労働被保険者とは?社労士試験の重要ポイントを解説

日雇労働被保険者(ひやといろうどうひほけんしゃ)とは、雇用保険法において、「日々雇用される者」または「30日以内の期間を定めて雇用される者」であって適用される制度です。一般の被保険者とは異なり、日々の雇用関係の変動が激しい労働者の生活安定を図るための特別な制度です。

短期雇用特例被保険者とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

社労士試験の雇用保険法において、一般被保険者や日雇労働被保険者との違いが頻繁に問われる「短期雇用特例被保険者」。から試験で狙われやすいポイント、具体的な働き方の例まで、2026年度試験対策として徹底的に解説します。社労士試験で問われる要件やポイントを具体例とともに解説します。

育児時短就業給付金とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

育児時短就業給付金とは、2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮して就業(以下「育児時短就業」)し、それによって賃金が低下した雇用保険の被保険者に対して支給される給付金です。2026年度の社労士試験では、新設された本給付金は最重要項目のひとつです。

他の科目で学ぶ