介護休業給付金とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説
介護休業給付金の定義
介護休業給付金とは、雇用保険の被保険者(ひほけんしゃ)が、要介護状態にある家族を介護するために介護休業を取得した場合に、休業中の所得を保障するために支給される給付金です。 育児・介護休業法に基づく介護休業を取得し、一定の支給要件を満たした場合に受け取ることができます。この制度は、労働者が介護を理由に離職することなく、仕事と介護を両立できるよう支援することを目的としています。
根拠条文は雇用保険法第61条の4に定められています。
介護休業給付金のポイント
社労士試験で問われる介護休業給付金の重要ポイントを、支給要件、支給額、支給対象となる休業の3つの観点から整理します。
1. 支給要件
介護休業給付金を受給するには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 被保険者要件
- 介護休業を開始した日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(または賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上の月)が通算して12か月以上あること。
- 短期雇用特例被保険者および日雇労働被保険者は対象外です。
- 介護休業の要件
- 対象家族を介護するための休業であること。
- 対象家族の範囲:配偶者(事実婚含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫。
- 要介護状態:負傷、疾病または身体上・精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態であること。
- 休業期間中の各支給単位期間(介護休業を開始した日から1か月ごとに区切った期間)において、就業している日数が10日以下であること。
- 対象家族を介護するための休業であること。
- 賃金要件
- 休業期間中に支払われた賃金が、原則として休業開始時の賃金月額の80%未満であること。
- 有期契約労働者の特例
- 上記の要件に加え、介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6か月を経過する日までに、その労働契約が満了することが明らかでないことが必要です。
2. 支給額
支給額は、原則として以下の計算式で算出されます。
支給額 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
- 休業開始時賃金日額:原則として、介護休業開始前6か月間の賃金(賞与は除く)を180で除した額です。
- 支給日数:1支給単位期間あたり原則30日です。
- 賃金が支払われた場合の調整:
- 休業中に支払われた賃金が休業開始時賃金月額の13%以下の場合、満額(67%)が支給されます。
- 13%を超え80%未満の場合は、支給額が減額されます。
- 80%以上の場合は、支給されません。
3. 支給対象となる休業
- 日数と回数:対象家族1人につき、通算して93日までを限度に、3回まで分割して取得した休業が対象となります。
【覚え方のコツ】 介護は大変で「ご苦労さん(93)」と覚えて、93日と3回をセットで記憶しましょう。
具体例で理解する介護休業給付金
【ケース】 休業前の6か月間の賃金総額が180万円(月額30万円)のAさんが、母親の介護のために30日間、完全に休業し、その間会社からの賃金の支払いはなかった。
-
休業開始時賃金日額の計算 180万円 ÷ 180日 = 10,000円
-
介護休業給付金の支給額の計算 10,000円(休業開始時賃金日額) × 30日(支給日数) × 67% = 201,000円
この場合、Aさんには約20万円が支給されます。なお、介護休業給付金は非課税です。
試験対策:ひっかけに注意!
社労士試験では、類似制度との違いを問う問題が頻出します。特に育児休業給付金との混同に注意しましょう。
| 項目 | 介護休業給付金 | 育児休業給付金 | | :--- | :--- | :--- | | 支給上限日数 | 対象家族1人につき通算93日 | 原則、子が1歳(最長2歳)まで | | 分割取得 | 3回まで | 原則2回まで | | 支給率 | **67%**で一定 | 当初180日は67%、その後は50% | | 社会保険料の免除 | 免除されない | 免除される |
【ひっかけポイント】
- 対象家族の範囲: 祖父母や兄弟姉妹は対象ですが、叔父・叔母やいとこは対象外です。 また、配偶者の父母は対象ですが、配偶者の祖父母や兄弟姉妹は対象外です。
- 93日の意味: 「通算」で93日です。1回の休業で93日を使い切る必要はありません。
- 介護休暇との違い: 介護休業給付金が支給されるのは「介護休業」であり、時間単位で取得できる「介護休暇」は対象外です。
- 労使協定による除外: 入社1年未満の労働者などは、労使協定により介護休業の対象外とされる場合があります。
よくある質問
Q: 介護休業中にアルバイトをしても給付金はもらえますか?
A: 支給単位期間中の就業日数が10日以下であれば、給付金の対象となる可能性があります。 ただし、アルバイトで得た賃金額によっては、給付金が減額されたり、支給されなくなったりすることがあります。 具体的には、休業開始前の賃金月額とアルバイト収入の合計が、休業開始前賃金月額の80%以上になると支給されません。
Q: 父母2人を同時に介護するため、連続して休業を取得する場合、給付金はどうなりますか?
A: 介護休業給付金は、対象家族「1人につき」通算93日まで支給されます。 したがって、お父様のために93日、お母様のために93日と、それぞれ別々に給付を受けることが可能です。
Q: 申請はいつまでに行えばよいですか?
A: 介護休業給付金の支給申請は、原則として事業主を経由して行います。申請期間は、原則として介護休業終了日の翌日から起算して2か月を経過する日の属する月の末日までです。詳細は最新の法令を確認してください。
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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。
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