第1号被保険者(介護)とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説
介護保険制度の根幹をなす「第1号被保険者(だいいちごうひほけんしゃ)」。社労士試験の社会一般常識科目では、第2号被保険者との違いや資格の得喪(とくそう)に関する問題が頻出です。この記事では、条文を基に定義を正確に理解し、試験で問われる重要ポイントを徹底的に解説します。
第1号被保険者(介護)の定義
第1号被保険者とは、市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者を指します。
根拠となる条文は、介護保険法第9条第1号です。
(被保険者) 第九条 次の各号のいずれかに該当する者は、市町村又は特別区(以下単に「市町村」という。)が行う介護保険の被保険者とする。 一 市町村の区域内に住所を有する六十五歳以上の者(以下「第一号被保険者」という。) (後略)
この定義から分かるように、第1号被保険者となるための要件は「住所」と「年齢」の2つだけであり、非常にシンプルです。
第1号被保険者(介護)のポイント
試験対策上、押さえておくべきポイントを3つに絞って解説します。
1. 資格要件は「住所」と「年齢」のみ
第1号被保険者になるかどうかは、以下の2つの要件で決まります。
- 住所要件: 市町村の区域内に住所を有すること
- 年齢要件: 65歳以上であること
第2号被保険者と異なり、医療保険(健康保険や国民健康保険など)への加入は要件とされていません。 したがって、会社で健康保険に加入している役員でも、自営業で国民健康保険に加入している人でも、65歳になれば等しく第1号被保険者となります。また、国籍も問われないため、日本に住所のある65歳以上の外国人も被保険者となります。
2. 資格取得と喪失のタイミング
資格の取得日と喪失日は、試験で狙われやすい重要論点です。特に「当日」なのか「翌日」なのかを正確に覚えましょう。
| 区分 | タイミング | 資格取得日・喪失日 | 保険料 | | :--- | :--- | :--- | :--- | | 資格取得 | 65歳に到達したとき | 65歳の誕生日の前日 | 取得日の属する月から | | | 他の市町村から転入したとき | 転入した当日 | 取得日の属する月から | | 資格喪失 | 他の市町村へ転出したとき | 転出した日の翌日 | 喪失日の属する月の前月まで | | | 死亡したとき | 死亡した日の翌日 | 喪失日の属する月の前月まで | | | 適用除外施設に入所したとき | 入所した当日 | 喪失日の属する月の前月まで |
年齢計算に関する法律により、年齢は誕生日の前日に到達すると考えます。そのため、65歳到達日は「誕生日の前日」となります。 資格喪失が「翌日」になるのは、当日の24時までは被保険者資格があるためです。ただし、転出と転入が同日に行われた場合は、資格は喪失しません。
3. 適用除外施設
住所要件と年齢要件を満たしていても、特定の施設に入所している場合は、介護保険の被保険者とはなりません。これを適用除外といい、対象となる施設を適用除外施設といいます。
代表的な適用除外施設には以下のようなものがあります。
- 救護施設(生活保護法)
- 指定障害者支援施設(障害者総合支援法)
- 医療型障害児入所施設(児童福祉法)
これらの施設では、介護保険のサービスに相当するケアが既に提供されているため、二重の保障を避ける目的で適用が除外されています。
具体例で理解する第1号被保険者(介護)
-
ケース1:65歳になったAさん Aさんは、2026年5月10日に65歳の誕生日を迎えます。この場合、誕生日の前日である5月9日に65歳に到達し、第1号被保険者の資格を取得します。 Aさんには、お住まいの市町村から介護保険被保険者証(かいごほけんひほけんしゃしょう)が交付されます。
-
ケース2:B市からC市へ引っ越したDさん(70歳) Dさんは、8月15日にB市からC市へ転居し、同日に転入届を提出しました。この場合、Dさんは転出した日の翌日である8月16日にB市の資格を喪失し、転入した8月15日にC市の資格を取得するため、被保険者資格に空白期間は生じません。
-
ケース3:適用除外施設に入所したEさん(80歳) Eさんは、9月20日に自宅から救護施設に入所しました。この場合、Eさんは入所した9月20日当日に被保険者資格を喪失します。
試験対策:ひっかけに注意!
社労士試験では、第1号被保険者と第2号被保険者の違いを問う問題が頻出です。以下の比較表で混同しやすいポイントを整理しましょう。
| 項目 | 第1号被保険者 | 第2号被保険者 | | :--- | :--- | :--- | | 年齢 | 65歳以上 | 40歳以上65歳未満 | | 住所要件 | あり | あり | | 医療保険加入 | 不要 | 必要 | | 保険料徴収 | 市町村(原則、年金から天引き) | 医療保険者が医療保険料と一体で徴収 | | サービス受給要件 | 原因を問わず要介護・要支援認定 | 特定疾病が原因で要介護・要支援認定 |
特に、「医療保険加入要件の有無」と「保険料の徴収方法」は、入れ替え問題の定番です。また、生活保護を受けている方でも、適用除外施設に入所していなければ、住所・年齢要件を満たす限り第1号被保険者となります。
よくある質問
Q: 65歳になったら、介護保険の加入手続きは必要ですか?
A: いいえ、原則として特別な加入手続きは必要ありません。 65歳になると自動的に資格を取得し、お住まいの市町村から「介護保険被保険者証」が郵送で交付されます。
Q: 海外に引っ越した場合、被保険者資格はどうなりますか?
A: 住民票を海外に転出し、日本国内に住所を有しなくなった場合は、その翌日に被保険者資格を喪失します。 したがって、海外に居住している間は保険料を納める必要はありません。帰国して再度住民登録をすれば、その日から資格を再取得します。
この用語に関連する過去問に挑戦
この用語の理解度をチェックしましょう。社労士過去問クイズアプリで関連する過去問を解くことができます。
※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。
腕試しクイズ
65歳になったら、介護保険の加入手続きは必要ですか?
もっと問題を解きたい方へ
全10科目・1000問以上の過去問を収録。解説付きで知識を定着させましょう。