国民健康保険法とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

国民健康保険法の定義

国民健康保険法とは、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする法律です。 この法律に基づき、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要な保険給付が行われます。

日本の公的医療保険制度は、すべての国民がいずれかの保険に加入する「国民皆保険」が基本です。国民健康保険法は、主に自営業者、農林漁業者、退職者、無職の方など、職場の健康保険(被用者保険)に加入していない人々を対象とする医療保険制度の根幹をなす法律といえます。

国民健康保険法のポイント

社労士試験で問われる国民健康保険法の重要ポイントは以下の通りです。

1. 保険者:都道府県及び市町村(特別区を含む)

2018年4月から、国民健康保険の財政運営の責任主体は都道府県となり、市町村とともに保険者として国民健康保険事業を運営しています。 これを「都道府県単位化」と呼びます。

  • 都道府県の役割: 財政運営の責任主体として、市町村への財政支援や事業の効率化を担います。
  • 市町村の役割: 資格管理(加入・脱退の手続き)、保険料(税)の決定・徴収、保険給付の決定・支給など、地域住民に身近な業務を引き続き行います。

このほか、同種の事業または業務に従事する者で組織される**国民健康保険組合**も保険者となることができます。

2. 被保険者:地域保険の原則

国民健康保険は、市町村の区域内に住所を有する者を被保険者とする「地域保険」です。 ただし、以下に該当する者は被保険者から除外されます(適用除外)。

  • 健康保険や共済組合などの被用者保険の被保険者・被扶養者
  • 後期高齢者医療制度の被保険者
  • 生活保護を受けている世帯に属する者
  • 国民健康保険組合の被保険者

3. 保険給付:療養の給付が中心

保険給付の内容は、健康保険法に準じるものが多くなっています。

  • 療養の給付: 病気やケガをした際に、医療機関で自己負担割合(原則3割、高齢者は所得に応じ2割または3割)を支払うことで医療サービスを受けられます。
  • 高額療養費: 1か月の医療費自己負担額が上限を超えた場合に、超えた分が払い戻されます。
  • 出産育児一時金: 被保険者が出産したときに支給されます。
  • 葬祭費: 被保険者が死亡したときに、葬祭を行った者に支給されます。

4. 保険料(税):市町村ごとに異なる

保険料(または保険税)は、保険者である市町村が条例で定めます。 算定方法は市町村によって異なりますが、主に以下の4つの方式を組み合わせて計算されます。

  • 所得割: 前年の所得に応じて計算
  • 資産割: 固定資産税額に応じて計算
  • 均等割: 被保険者一人ひとりに対して定額で計算
  • 平等割: 一世帯あたりで定額で計算

保険料の納付義務者は、その世帯の世帯主となります。

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具体例で理解する国民健康保険法

【ケース1:個人事業主のAさん】 デザイン事務所を経営するAさんは、国民健康保険の被保険者です。先日、体調を崩して病院で診察を受け、治療費として1万円かかりました。窓口でAさんは被保険者証を提示し、自己負担分である3,000円(3割負担)を支払いました。残りの7,000円は、Aさんが住む市町村の国民健康保険から医療機関へ支払われます。

【ケース2:会社を退職したBさん】 会社員のBさんは、転職のため会社を退職しました。次の就職先が決まるまでの2か月間、Bさんは職場の健康保険がなくなるため、国民健康保険に加入する手続きを市役所で行いました。これにより、無保険期間なく医療を受けることができます。なお、Bさんには健康保険の「任意継続」という選択肢もありましたが、保険料を比較した結果、国民健康保険を選択しました。

試験対策:ひっかけに注意!

社労士試験では、細かい知識を問う「ひっかけ問題」が出題されます。以下のポイントに注意しましょう。

  • 保険者の勘違い 「国民健康保険の保険者は市町村である」→ 誤り。正しくは「都道府県及び市町村」です。都道府県が財政運営の責任主体であることを忘れないようにしましょう。

  • 納付義務者の勘違い 「保険料は被保険者がそれぞれ納付する」→ 誤り。保険料の納付義務者は「世帯主」です。 たとえ世帯主自身が会社の健康保険に加入していて国保の被保険者でなくても(このような世帯主を擬制世帯主(ぎせいせたいぬし)といいます)、世帯内に国保の被保険者がいれば、その世帯主に納付義務があります。

  • 適用除外の漏れ 健康保険の日雇特例被保険者とその被扶養者は、原則として国民健康保険の適用除外ですが、一定の要件を満たすと国民健康保険の被保険者となる場合があります。 このような例外規定は狙われやすいポイントです。

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よくある質問

Q: 会社を退職した場合、必ず国民健康保険に加入しなければなりませんか?

A: いいえ、必ずではありません。退職前の健康保険を2年間継続できる「任意継続被保険者制度」を利用する、またはご家族が加入する健康保険の「被扶養者」になるという選択肢もあります。ただし、被扶養者になるには収入などの要件を満たす必要があります。それぞれの保険料や給付内容を比較検討して、ご自身の状況に合ったものを選択することが重要です。

Q: 収入がない場合でも、国民健康保険料はかかりますか?

A: はい、かかります。 国民健康保険料は、前年の所得をもとに計算される「所得割」と、加入者数などに応じて定額でかかる「均等割」「平等割」で構成されています。 そのため、前年に所得がなかったとしても、均等割や平等割の部分は原則として負担する必要があります。 ただし、所得が一定基準以下の世帯については、保険料の軽減措置が設けられています。

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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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公開日: 2026/2/18 / 更新日: 2026/4/24

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