老齢厚生年金とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説
老齢厚生年金の定義
老齢厚生年金とは、厚生年金保険の被保険者期間がある方が、原則として65歳に達したときに、老齢基礎年金に上乗せして支給される年金です。(厚生年金保険法第42条)
会社員や公務員などが加入する厚生年金保険から支給されるもので、日本の年金制度の2階部分にあたります。受給するためには、老齢基礎年金の受給資格期間(原則10年)を満たしていることと、厚生年金保険の被保険者期間が1ヶ月以上あることが必要です。
老齢厚生年金のポイント
社労士試験で問われる老齢厚生年金の重要ポイントは、「支給要件」「年金額の計算」「特別支給の老齢厚生年金」の3つです。
1. 支給要件
原則として、以下の3つの要件をすべて満たすと65歳から支給されます。
- 年齢要件:65歳以上であること
- 受給資格期間要件:老齢基礎年金の受給資格期間(保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した期間)が10年以上あること
- 厚生年金加入要件:厚生年金保険の被保険者期間が1ヶ月以上あること
2. 年金額の計算
老齢厚生年金の額は、主に「報酬比例部分」と、該当する場合に加算される「経過的加算」「加給年金額」で構成されます。
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報酬比例部分 在職中の給与(標準報酬月額)や賞与(標準賞与額)と、厚生年金保険の被保険者期間に応じて計算される、老齢厚生年金の中心部分です。
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経過的加算 65歳から支給される老齢厚生年金に加算されるもので、特別支給の老齢厚生年金の「定額部分」と老齢基礎年金の差額を調整するためのものです。
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加給年金額(かきゅうねんきんがく) 厚生年金保険の被保険者期間が原則20年以上ある方が65歳になった時点で、その方に生計を維持されている65歳未満の配偶者や18歳年度末までの子(または一定の障害状態にある20歳未満の子)がいる場合に加算されます。 「年金の家族手当」のようなイメージで覚えるとよいでしょう。
3. 特別支給の老齢厚生年金
本来65歳から支給される老齢厚生年金を、特定の条件を満たす場合に60歳から64歳までの間に前倒しで受け取れる制度です。 対象となるのは、男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前に生まれた方で、かつ厚生年金保険の被保険者期間が1年以上ある等の要件を満たす方です。
生年月日によって支給開始年齢が段階的に引き上げられており、試験ではこの支給開始年齢が頻繁に問われます。
具体例で理解する老齢厚生年金
モデルケース:昭和40年4月2日生まれの男性、大学卒業後60歳まで38年間(456月)厚生年金に加入。平均年収は500万円(平均標準報酬額は約41.7万円)とする。
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60歳~64歳 この男性は昭和36年4月2日以降生まれのため、「特別支給の老齢厚生年金」は支給されません。
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65歳から 老齢基礎年金(満額)に加えて、本来の「老齢厚生年金」の受給が開始されます。 報酬比例部分の年金額(概算)は以下のようになります。
41.7万円 × 5.481/1000 × 456月 ≒ 年額 約104万円この約104万円に、老齢基礎年金が上乗せされて支給されます。
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加給年金額の例 もしこの男性に65歳時点で5歳年下の専業主婦の妻がいた場合、妻が65歳になるまでの5年間、老齢厚生年金に「配偶者加給年金額」が加算されます。
試験対策:ひっかけに注意!
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受給資格期間と被保険者期間の混同 老齢厚生年金の受給には、老齢基礎年金の受給資格期間10年と、厚生年金保険の被保険者期間1ヶ月以上が必要です。この2つの期間を混同させる問題に注意しましょう。
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加給年金額の支給停止 加給年金額の対象である配偶者が、被保険者期間20年以上の老齢厚生年金を受け取る権利がある場合や、障害年金を受け取っている間は、加給年金額は支給停止となります。 2022年4月からは、配偶者の老齢厚生年金が在職中で全額支給停止されていても、受け取る権利があれば加給年金額は支給停止となるため注意が必要です。
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繰上げ・繰下げ受給の対象 老齢厚生年金は繰下げ受給により増額できますが、増額の対象となるのは報酬比例部分と経過的加算です。 加給年金額は繰下げしても増額されません。
よくある質問
Q: 働きながら老齢厚生年金をもらうと、年金額は減らされますか?
A: はい、「在職老齢年金(ざいしょくろうれいねんきん)」という仕組みにより、給与(総報酬月額相当額)と老齢厚生年金の基本月額の合計額が一定の基準額を超えると、年金の一部または全部が支給停止されることがあります。 2026年4月からは、この基準額が現行の48万円(2024年度)から62万円に引き上げられる予定で、より多くの人が年金を減額されずに働けるようになります。
Q: 年金の受給開始を遅らせる「繰下げ受給」のメリットは何ですか?
A: 65歳で受け取らずに66歳以降に繰り下げて受給を開始すると、1ヶ月あたり0.7%ずつ年金額が増額されます。 2022年4月からは上限年齢が70歳から75歳に引き上げられ、最大で84%(0.7% × 120ヶ月)年金を増額させることが可能になりました。 この増額率は一生涯変わらないため、長生きするほど有利になります。
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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。
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