加給年金額とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説
加給年金額の定義
加給年金額(かきゅうねんきんがく)とは、厚生年金保険の被保険者期間が原則として20年(240月)以上ある方が老齢厚生年金の受給を開始する際に、その方によって生計を維持されている一定の要件を満たす配偶者や子がいる場合に、老齢厚生年金に上乗せして支給される年金のことです。 いわば、年金の「家族手当」のような役割を果たします。
根拠条文は厚生年金保険法第44条に定められています。
加給年金額のポイント
社労士試験で問われる加給年金額の重要ポイントは、主に「誰が」「いつからいつまで」「いくら」もらえるのか、という点です。特に支給要件と支給停止の要件は頻出論点です。
支給要件
1. 受給権者(本人)の要件
- 老齢厚生年金の受給権者であること。
- 厚生年金保険の被保険者期間が原則20年(240月)以上であること。
- (ポイント)中高齢者の特例などにより、被保険者期間が20年に短縮される場合があります。
2. 対象者(配偶者・子)の要件
- 受給権者によって生計を維持されていること。
- (ポイント)生計維持の基準は、原則として前年の収入が850万円未満(所得が655.5万円未満)であることです。
- 配偶者の場合:65歳未満であること(事実婚関係も含む)。
- 子の場合:18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあること。または、20歳未満で障害等級1級・2級の状態にあること。
加算額(令和7年度の例)
年金額は毎年度改定されます。以下は日本年金機構が公表している令和7年度の金額例です。
- 配偶者:239,300円
- 子(1人目・2人目):各239,300円
- 子(3人目以降):各79,800円
さらに、配偶者加給年金額には、受給権者の生年月日に応じて特別加算が行われます。
- 配偶者特別加算額:35,400円~176,600円(受給権者が昭和9年4月2日以後生まれの場合に加算)
(覚え方のコツ) 特別加算は、受給権者の生年月日が「昭和9年4月2日」以後から対象です。「**しょーわ・く(9)し(4)に(2)**から特別」と覚えておくとよいでしょう。
具体例で理解する加給年金額
- 夫:65歳。厚生年金期間30年。老齢厚生年金の受給を開始。
- 妻:62歳。専業主婦で夫に生計を維持されている。
- 子:15歳(高校1年生)。
このケースでは、夫が65歳になった時点で、妻は65歳未満、子は18歳年度末までの要件を満たしています。そのため、夫の老齢厚生年金に「配偶者加給年金額(特別加算含む)」と「子の加給年金額」の両方が加算されます。
【その後の流れ】
- 子が18歳年度末に到達:子の加給年金額が支給終了となります。
- 妻が65歳に到達:配偶者加給年金額が支給終了となります。
- 妻が65歳になった後:妻自身の老齢基礎年金に、一定の要件を満たせば**振替加算(ふりかえかさん)**が加算されることがあります。
試験対策:ひっかけに注意!
1. 配偶者の支給停止要件 加給年金額の対象となっている配偶者が、以下の年金を受けられる間は、配偶者加給年金額は支給停止されます。これは最重要論点の一つです。
(ひっかけポイント) 2022年4月の法改正により、配偶者がこれらの年金の受給権を有していれば、実際に受給していなくても(全額支給停止されていても)加給年金額は支給停止となります。 例えば、配偶者が在職中で老齢厚生年金が全額支給停止されている場合でも、加給年金額は加算されません。
2. 加給年金額と振替加算の混同
- 加給年金額:夫(または妻)の老齢厚生年金に加算されるもの。
- 振替加算:配偶者自身の老齢基礎年金に加算されるもの。
加給年金額が終了した後に振替加算が開始される、という流れは正しいですが、支給される年金の種類も対象者も全く異なる制度です。混同しないようにしましょう。
3. 障害厚生年金の加給年金額との違い 障害等級1級・2級の障害厚生年金にも配偶者に対する加給年金額が加算されますが、この場合、老齢厚生年金のような「被保険者期間20年以上」という要件は不要です。この違いは試験で問われやすいポイントです。
4. 法改正情報(2028年度〜) 2028年4月から、配偶者加給年金額が約1割減額されるなどの法改正が予定されています。 2026年度試験では直接の出題範囲になる可能性は低いですが、制度の背景として知っておくと理解が深まります。
よくある質問
Q: 妻が年上の場合、加給年金額はもらえますか?
A: 夫が65歳になり老齢厚生年金の受給権を得た時点で、妻がすでに65歳以上であるため、配偶者加給年金額は加算されません。加算の対象となるのは、あくまで「65歳未満の」配偶者です。
Q: 共働きで妻にも収入がありますが、加給年金額はもらえますか?
A: 妻の年収が850万円未満など、生計維持関係が認められれば対象となります。 ただし、妻自身が厚生年金に20年以上加入し、老齢厚生年金の受給権がある場合は、加給年金額は支給停止となります。
Q: 事実婚(内縁関係)でも対象になりますか?
A: はい、法律上の婚姻関係がなくても、生計を同一にしているなどの実態があれば、事実婚でも対象となります。
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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。
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