申請免除とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説
申請免除の定義
申請免除(しんせいめんじょ)とは、国民年金の第1号被保険者が、所得が一定基準以下である等の理由により保険料を納付することが経済的に困難な場合に、本人からの申請に基づいて保険料の納付が全額または一部免除される制度です。
根拠条文は国民年金法第90条および第90条の2に定められています。この制度の目的は、保険料の納付が困難な方でも、将来の年金受給権を確保できるようにすることです。
申請免除のポイント
社労士試験で問われる申請免除の重要ポイントをまとめました。
1. 対象者と審査対象
- 対象者: 国民年金第1号被保険者(学生、任意加入被保険者を除く)。
- 審査対象: 免除の承認には、本人だけでなく、その配偶者、世帯主の前年所得(1月~6月の申請は前々年所得)が審査対象となります。
2. 免除の種類と所得基準
申請免除には、所得に応じて「全額免除」「4分の3免除」「半額免除」「4分の1免除」の4種類があります。
所得基準の計算式は以下の通りです。(2026年度試験対策として現行の基準を記載)
- 全額免除: (扶養親族等の数 + 1) × 35万円 + 32万円 以下
- 4分の3免除: 88万円 + 扶養親族等控除額 + 社会保険料控除額等 以下
- 半額免除: 128万円 + 扶養親族等控除額 + 社会保険料控除額等 以下
- 4分の1免除: 168万円 + 扶養親族等控除額 + 社会保険料控除額等 以下
【覚え方のコツ】 一部免除の所得基準額は「ハハ(88)いいわ(128)いろいろ(168)」と語呂合わせで覚えましょう。
3. 年金額への反映
免除を受けた期間は、老齢基礎年金の**受給資格期間には算入されます**。 しかし、年金額を計算する際には、保険料を全額納付した場合よりも減額されます。
各免除区分ごとの年金額への反映割合(平成21年4月以降の期間)は以下の通りです。
- 全額免除: 2分の1
- 4分の3免除: 8分の5
- 半額免除: 8分の6(4分の3)
- 4分の1免除: 8分の7
4. 追納制度
免除された保険料は、承認を受けた月の前月から数えて10年以内であれば、後から納付(追納(ついのう))することができます。 追納することで、老齢基礎年金の年金額を満額に近づけることが可能です。
5. 失業等による特例免除
失業や事業の廃止などにより保険料の納付が困難になった場合は、特例免除の対象となります。 この場合、離職票などを添付して申請することで、本人の所得を除外して審査が行われます。
具体例で理解する申請免除
【ケース】 フリーランスのAさん(30歳・単身世帯)は、前年の事業所得が60万円でした。国民年金保険料の納付が経済的に厳しい状況です。
【解説】 Aさんの前年所得は60万円です。全額免除の所得基準は、単身の場合「(0人 + 1) × 35万円 + 32万円 = 67万円」以下となります。 Aさんの所得は60万円でこの基準を下回るため、市区町村の窓口または年金事務所で申請手続きをすれば、保険料の全額免除が承認される可能性が高いです。
全額免除が承認されれば、その期間の保険料納付は不要になります。この期間は老齢基礎年金の受給資格期間に算入され、年金額にも2分の1が反映されます。 将来、Aさんの経済状況が好転すれば、10年以内に追納して年金額を増やすこともできます。
試験対策:ひっかけに注意!
1. 法定免除との違い
申請免除は本人の申請に基づいて行われるのに対し、法定免除(ほうていめんじょ)は障害基礎年金の受給権者や生活保護法による生活扶助を受けている方などが届出をすることで、所得にかかわらず全額免除される制度です。 「申請」か「届出」か、所得要件の有無が大きな違いです。
2. 納付猶予制度との違い
申請免除と混同しやすいのが「納付猶予制度」です。50歳未満の方が対象で、本人・配偶者の所得が一定以下の場合に、保険料の納付が「猶予」されます。
- 年金額への反映: 申請免除期間は年金額に一部反映されますが、納付猶予期間は追納しない限り年金額に全く反映されません。 これが最も重要な違いです。
- 審査対象: 申請免除は世帯主の所得も審査対象ですが、納付猶予は世帯主の所得は審査対象外です。
3. 一部免除の納付義務
4分の3免除、半額免除、4分の1免除が承認された場合、減額された保険料を納付しなければ、その期間は未納期間扱いとなります。 「一部免除=納付義務がゼロになる」という誤解に注意しましょう。
よくある質問
Q: 失業した場合も申請免除は利用できますか?
A: はい、利用できます。失業、倒産、事業の休廃止などを理由とする場合は「特例免除」の対象となり、申請時にハローワークが交付する「雇用保険受給資格者証」や「離職票」などを添付することで、本人の所得を除外して審査されます。
Q: 免除された保険料を追納しないとどうなりますか?
A: 追納しなくても、免除期間は老齢基礎年金の受給資格期間には算入されます。 また、障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取るための納付要件を見る際には、免除期間は保険料を納付した期間と同じように扱われます。 ただし、老齢基礎年金の年金額は、保険料を全額納付した場合よりも低くなります。 例えば、全額免除期間は年金額の計算上、保険料を納付した期間の2分の1として扱われます。
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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。
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