法定免除とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

法定免除の定義

法定免除(ほうていめんじょ)とは、国民年金第1号被保険者が法律で定められた特定の事由に該当した場合に、本人からの届出によって、その期間の保険料の納付が全額免除される制度です。

根拠条文は国民年金法第89条に定められています。所得の額にかかわらず、該当事由と届出のみで免除が認められる点が、申請免除制度との大きな違いです。

法定免除のポイント

社労士試験で問われる法定免除の重要ポイントを整理しましょう。

1. 対象となる人(該当事由)

法定免除の対象となるのは、以下のいずれかに該当する国民年金第1号被保険者です。

  • 障害基礎年金または被用者年金保険の障害年金(1級・2級)の受給権者
  • 生活保護法による生活扶助を受けている人
  • 国立ハンセン病療養所など、厚生労働省令で定める施設に入所している人

覚え方のコツとして、「障害生活に困り療養中」とインプットすると記憶に残りやすいでしょう。

2. 免除される期間

免除される期間は、「該当するに至った日の属する月の前月」から「該当しなくなる日の属する月」までです。 例えば、5月10日に障害基礎年金の受給権者になった場合、その前月である4月分の保険料から免除が開始されます。

3. 年金額への反映

法定免除を受けた期間は、老齢基礎年金の**受給資格期間には算入されます**。 年金額を計算する際には、保険料を全額納付した場合の2分の1(平成21年3月分までは3分の1)として計算されます。 つまり、保険料を納付していなくても、国庫負担分が年金額に反映される仕組みです。

4. 保険料の追納

免除された保険料は、後から納付(追納)することができます。 追納ができるのは、追納が承認された月の前10年以内の免除期間に限られます。追納することで、その期間は保険料納付済期間として扱われ、老齢基礎年金の年金額を満額に近づけることができます。

5. 届出が必要

法定免除は、該当すれば自動的に適用されるわけではなく、市区町村役場または年金事務所への届出が必要です。 これを「届出免除」といい、試験でも頻出のポイントです。

📝

法定免除」― 国年の受給要件、正確に言える?

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具体例で理解する法定免除

【ケース1:障害基礎年金を受給】 自営業を営むAさん(35歳・第1号被保険者)が、病気により障害等級2級の障害基礎年金の受給権者となりました。Aさんは市役所の国民年金窓口で法定免除の届出を行いました。これにより、Aさんは障害基礎年金の受給権者である期間、国民年金保険料の納付が免除されます。将来、Aさんが老齢基礎年金を受け取る際には、この免除期間は年金額の2分の1として計算に反映されます。

【ケース2:生活保護を受給】 会社を退職し、求職活動をしていたBさん(45歳・第1号被保険者)は、生活が困窮し生活保護法による生活扶助の受給が決定しました。Bさんは福祉事務所でその旨を伝えられ、年金事務所で法定免除の届出を行いました。生活扶助を受けている期間は保険料が免除されます。その後、Bさんの就職が決まり生活扶助が廃止された場合、Bさんは法定免除の事由が消滅した届出を行い、再び保険料を納付する必要があります。

試験対策:ひっかけに注意!

法定免除は、他の免除制度との違いや対象者の細かい要件が狙われやすい分野です。

  • 【ひっかけ1】自動的に免除される?されません。必ず本人からの届出が必要です。 「法定」という言葉から「何もしなくても免除される」と誤解しないようにしましょう。

  • 【ひっかけ2】障害年金の受給権者なら誰でも対象?違います。対象は障害等級1級または2級の障害基礎年金や障害厚生年金等の受給権者です。 当初から障害等級3級のみの障害厚生年金の受給権者は対象外です。

  • 【ひっかけ3】生活保護なら何でも対象?違います。対象は生活保護の8つの扶助のうち「生活扶助」を受けている場合です。 住宅扶助や医療扶助のみを受けている場合は法定免除の対象とはならず、申請免除を検討することになります。

  • 【ひっかけ4】申請免除との混同 → 申請免除は本人・配偶者・世帯主の所得審査がありますが、法定免除に所得審査はありません。 また、申請免除は「全額免除」以外に「一部免除」がありますが、法定免除は「全額免除」のみです。

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よくある質問

Q: 法定免除の届出を忘れていました。遡って免除を受けることはできますか?

A: はい、法定免除の該当事由が発生した時点に遡って免除を受けることが可能です。 届出に期限はありませんが、気づいた時点で速やかに手続きをしてください。

Q: 法定免除期間中に、付加保険料を納付することはできますか?

A: いいえ、できません。付加保険料は、国民年金の定額保険料を納付していることが前提となるため、法定免除期間中は納付できません。ただし、本人が納付を希望する「納付申出」を行った場合は、定額保険料とあわせて付加保険料を納付することが可能です。

Q: 障害年金が3級になったり、支給が停止されたりした場合、法定免除はどうなりますか?

A: 障害等級1級・2級の障害年金を受けていた方が、等級が3級に変更された場合でも法定免除は継続します。 しかし、障害の状態が改善し、3級にも該当しなくなった日から3年が経過すると法定免除の対象外となります。 同様に、生活保護の生活扶助が廃止された場合も法定免除は終了するため、消滅の届出が必要です。

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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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公開日: 2026/3/7 / 更新日: 2026/3/26

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