障害手当金とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説
障害手当金の定義
障害手当金(しょうがいてあてきん)とは、厚生年金保険の被保険者期間中に初診日がある傷病が治った(症状が固定した)日において、障害等級3級に該当するよりやや軽い程度の障害の状態にある場合に支給される一時金です。 年金ではなく、一度だけ支給される「一時金」である点が大きな特徴です。
根拠条文は厚生年金保険法第55条に定められています。
障害手当金のポイント
社労士試験で問われる障害手当金の重要ポイントは、「支給要件」と「支給額」です。これらを正確に押さえましょう。
支給要件
障害手当金は、以下の5つの要件をすべて満たした場合に支給されます。
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初診日要件 厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やケガの初診日があること。
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保険料納付要件 初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が3分の2以上あること。 (※初診日が令和8年3月31日までの場合は、初診日において65歳未満であり、初診日の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと、という特例があります。)
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治癒(症状固定)要件 初診日から起算して5年を経過する日までの間に、その傷病が「治って」いること。 この「治った」とは、医学的な完治だけでなく、症状が固定し、これ以上治療の効果が期待できない状態(症状固定)も含みます。
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障害の程度 治った日において、その傷病による障害の程度が、厚生年金保険法施行令別表第二に定める程度であること。 これは、障害厚生年金3級よりもやや軽い障害の状態です。
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年金不支給要件 治った日において、同一の傷病で障害厚生年金や障害基礎年金など、他の年金たる保険給付を受けられる状態にないこと。
支給額
障害手当金の額は、以下の計算式で算出されます。
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原則
報酬比例の年金額 × 2※報酬比例の年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が300月(25年)に満たない場合は、300月として計算します。 -
最低保障額 計算した額が一定の額に満たない場合は、最低保障額が支給されます。 2026年度(令和8年度)の最低保障額は 1,271,000円 です。
具体例で理解する障害手当金
【ケース】 会社員Aさん(35歳、厚生年金加入期間15年)は、休日にバイク事故で右腕を骨折しました。治療を続けましたが、初診日から2年後に症状が固定し、医師からこれ以上の改善は見込めないと診断されました。後遺症として、右腕の関節の機能に一定の障害が残りましたが、障害等級3級には該当しませんでした。しかし、厚生年金保険法施行令別表第二に定める「一上肢の3大関節のうち、一関節に著しい機能障害を残すもの」に該当しました。
【解説】 この場合、Aさんは障害手当金の支給要件を満たします。
- 初診日要件: 会社員(厚生年金被保険者)期間中の事故のためクリア。
- 保険料納付要件: 滞納なく納付していたためクリア。
- 治癒(症状固定)要件: 初診日から5年以内に症状が固定しているためクリア。
- 障害の程度: 障害手当金の基準に該当するためクリア。
- 年金不支給要件: 障害厚生年金3級以上には該当しないためクリア。
Aさんには、自身の平均標準報酬額などに基づいて計算された「報酬比例の年金額の2年分」が一時金として支給されます。もしその額が最低保障額の1,271,000円(令和8年度)に満たない場合は、1,271,000円が支給されます。
試験対策:ひっかけに注意!
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障害厚生年金との違いを明確に! 障害手当金は「治った日」の障害状態で判断しますが、障害厚生年金は「障害認定日(初診日から1年6か月経過した日など)」で判断します。この日付の違いは頻出ポイントです。
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国民年金にはない制度! 障害手当金は厚生年金保険独自の制度です。 国民年金には、障害等級1級・2級に該当しない場合に支給される一時金制度はありません。
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「5年」の起算点と期間 「初診日から5年を経過する日までの間」に治っている必要があります。 また、障害手当金を受け取る権利は、治った日から5年で時効により消滅します。
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傷病手当金との混同 名前が似ている健康保険の「傷病手当金」と混同しないように注意が必要です。 傷病手当金は、療養で働けない期間の所得保障を目的とする給付であり、障害が残ったことに対する給付である障害手当金とは全く別の制度です。
よくある質問
Q: 障害手当金と、健康保険の傷病手当金はどう違うのですか?
A: 目的、支給主体、支給要件が全く異なります。障害手当金は、厚生年金保険から「障害が残ったこと」に対して支給される一時金です。 一方、傷病手当金は、健康保険から「病気やケガで働けない期間の生活保障」として支給される手当金で、原則として最大で通算1年6か月間支給されます。
Q: 障害手当金を受け取った後、同じ傷病が悪化して障害等級3級以上に該当した場合はどうなりますか?
A: 65歳に達する日の前日までに障害等級3級以上に該当した場合、障害厚生年金を請求することができます(事後重症による請求)。ただし、詳細は最新の法令を確認してください。
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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。
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障害手当金と、健康保険の傷病手当金はどう違うのですか?
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