介護補償等給付とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

介護補償等給付の定義

介護補償等給付(かいごほしょうとうきゅうふ)とは、業務災害または通勤災害により、障害(補償)等年金または傷病(補償)等年金を受給している労働者が、一定の障害の状態にあり、常時または随時介護を必要とするときに支給される労災保険の給付です。

根拠条文は労働者災害補償保険法第12条の8第4項に定められています。 業務災害の場合は「介護補償給付」、通勤災害の場合は「介護給付」と名称が変わりますが、給付内容は同じです。

介護補償等給付のポイント

社労士試験で問われる重要ポイントを整理しましょう。

1. 支給要件

以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • 障害(補償)等年金または傷病(補償)等年金の受給権者であること
    • 障害(補償)等一時金の受給者は対象外です。
  • 支給事由となる障害の程度が厚生労働省令で定めるものであること
    • 障害等級・傷病等級が第1級の方(すべて)
    • 障害等級・傷病等級が第2級の「精神神経・胸腹部臓器の障害」を有する方
  • 常時または随時介護を要する状態にあり、かつ、現に介護を受けていること
  • 病院または診療所に入院していないこと
  • 特定の施設に入所していないこと
    • 障害者支援施設(生活介護を受けている場合に限る)、特別養護老人ホームなどに入所している間は支給されません。

2. 支給額

支給額は、介護の状態(常時介護か随時介護か)と、介護の担い手(事業者か親族か)によって異なります。原則として介護にかかった実費が支払われますが、上限額と最低保障額が定められています。

金額は毎年度改定される可能性があるため、最新の情報を確認することが重要です。2025年8月からの改定予定額は以下の通りです。

介護の区分支給上限額(月額)最低保障額(月額)
常時介護186,050円85,490円
随時介護92,980円42,700円
  • 親族等による介護の場合:介護費用を実際に支出していなくても、または支出した額が最低保障額を下回る場合でも、最低保障額が支給されます
  • 注意点:支給事由が生じた最初の月については、最低保障額の適用はありません。 したがって、最初の月に親族による介護で費用を支出していない場合、その月の給付は0円となります。

3. 請求手続き

  • 請求先:所轄の労働基準監督署
  • 時効:介護を受けた月の翌月の1日から起算して2年で時効により消滅します。

介護補償等給付」― 労災の給付要件、正確に答えられる?

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具体例で理解する介護補償等給付

【ケース】 建設現場で作業中に転落し、脊髄を損傷したAさん。障害等級第1級の認定を受け、障害補償年金を受給しています。退院後は自宅に戻り、妻の介護を受けながら生活しています。

【解説】 Aさんは以下の支給要件を満たしています。

  1. 障害補償年金の受給権者である
  2. 障害等級が第1級である
  3. 常時介護を要する状態で、現に妻から介護を受けている
  4. 病院に入院しておらず、施設にも入所していない

この場合、Aさんは労働基準監督署に請求することで、介護補償給付を受け取ることができます。Aさんの妻は親族にあたるため、Aさん世帯が介護サービス事業者等に費用を支払っていなくても、常時介護の最低保障額が月々支給されます。

試験対策:ひっかけに注意!

  • 【ひっかけ①】名称の混同介護保険法」の介護給付と混同しないように注意しましょう。介護補償等給付はあくまで「労災保険法」に基づく給付です。

  • 【ひっかけ②】対象者 障害(補償)等一時金の受給者は対象外です。 必ず年金の受給権者であることを確認しましょう。

  • 【ひっかけ③】障害等級 「障害等級2級なら対象」と安易に判断してはいけません。「精神神経・胸腹部臓器の障害」に限られるという限定がある点を見逃さないようにしましょう。

  • 【ひっかけ④】入院・入所中の扱い 原則として、病院への入院中や特定の施設への入所中は支給されません。 在宅で介護を受けていることが基本です。

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よくある質問

Q: 介護保険のデイサービスを利用していても、介護補償等給付は受けられますか?

A: はい、受けられます。介護補償等給付は、労災保険独自の制度であり、介護保険法のサービス利用の有無は問いません。両方の制度から給付を受けることも可能です。

Q: 親族が介護している場合、介護費用を支払っている証明は必要ですか?

A: いいえ、親族による介護で最低保障額を請求する場合、介護費用の支払いを証明する必要はありません。 ただし、実際に支払った費用が最低保障額を上回る場合は、その費用の証明書を添付することで、上限額の範囲内で実費が支給されます。

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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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公開日: 2026/2/14 / 更新日: 2026/4/24

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