就業促進手当とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

就業促進手当の定義

就業促進手当(しゅうぎょうそくしんてあて)とは、雇用保険の基本手当受給資格がある方が、所定給付日数を一定以上残して早期に安定した職業に就いた場合などに支給される手当の総称です。 失業中の生活を支える基本手当とは異なり、早期の再就職を促進し、就職後の定着を支援することを目的としています。

雇用保険法第56条の3に定められており、以下の4つの手当から構成されています。

  1. 再就職手当(さいしゅうしょくてあて)
  2. 就業促進定着手当(しゅうぎょうそくしんていちゃくてあて)
  3. 就業手当(しゅうぎょうてあて) ※2025年3月31日で廃止
  4. 常用就職支度手当(じょうようしゅうしょくしたくてあて)

2026年度の試験対策としては、特に法改正のあった「就業手当」と「就業促進定着手当」に注意が必要です。

就業促進手当のポイント

社労士試験で問われる各手当の重要ポイントを整理しましょう。

手当の種類目的と対象者支給要件のポイント(抜粋)
再就職手当安定した職業への早期の再就職を促進する。・基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること。 <br>・1年を超えて勤務することが確実であること。 <br>待期期間満了後の就職であること。
就業促進定着手当再就職後の職場への定着を支援する。再就職手当の支給を受けていること。 <br>・再就職後6か月以上同じ事業主に雇用されていること。 <br>・再就職後6か月の賃金が、離職前の賃金より低いこと。
就業手当【2025年3月31日で廃止】 <br>常用雇用以外の形態(パート・アルバイト等)での早期の就業を促進する。(参考:旧制度)<br>・基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上あること。
常用就職支度手当障害のある方など、就職が困難な方の安定した職業への就職を支援する。・身体障害者、知的障害者、精神障害者など厚生労働省令で定める就職が困難な者であること。 <br>・基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1未満であること等。

【覚え方のコツ】

各手当を「再就職のステージ」で覚えるのがおすすめです。

  1. 就職決定時:安定した就職なら「再就職手当」。就職困難者で残日数が少ない場合は「常用就職支度手当」。
  2. 就職後6か月経過:再就職手当をもらった人で、給料が下がったら「就業促進定着手当」で補填。

就業促進手当」― 雇用保険の数字、覚えてる?

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具体例で理解する就業促進手当

【ケース】Aさん(45歳)

  • 離職前の賃金日額:15,000円
  • 基本手当日額:6,000円(上限額適用)
  • 所定給付日数:180日

1. 再就職手当の計算

Aさんが待期期間満了後、支給日数を130日残して(所定給付日数の3分の2以上)、安定した職業に再就職した場合。

  • 計算式:支給残日数 × 給付率 × 基本手当日額
  • 計算:130日 × 70% × 6,000円 = 546,000円

この場合、Aさんには546,000円の再就職手当が支給されます。

2. 就業促進定着手当の計算

再就職から6か月後、Aさんの再就職先の賃金が低下し、6か月間に支払われた賃金から算定した1日分の額が14,000円だった場合。

  • 計算式:(離職前の賃金日額 - 再就職後6か月の賃金の1日分の額)× 支払基礎日数
  • 計算:(15,000円 - 14,000円)× 180日(6か月間の暦日数) = 180,000円

ただし、支給には上限額があります。

  • 上限額の計算式:基本手当日額 × 支給残日数 × 上限率
  • 2025年4月1日以降の改正:上限率は一律**20%**に引き下げられています。
  • 上限額:6,000円 × 130日 × 20% = 156,000円

計算結果(180,000円)が上限額(156,000円)を上回るため、Aさんに支給される就業促進定着手当は156,000円となります。

試験対策:ひっかけに注意!

  • 再就職手当の支給残日数:「3分の1以上」という要件は頻出です。給付率が「3分の2以上」で70%、「3分の1以上3分の2未満」で60%になる点も正確に覚えましょう。

  • 就業促進定着手当の前提条件:この手当は**「再就職手当」の支給を受けた人が対象**です。 「就業手当」や「常用就職支度手当」を受けた人は対象外という点に注意してください。

  • 法改正情報(最重要)

    • 就業手当は2025年3月31日で廃止されました。 2026年度試験では、廃止されたという事実が問われる可能性があります。
    • 就業促進定着手当の上限率は、2025年4月1日から一律**20%**に引き下げられました。 以前の40%(または30%)と混同しないようにしましょう。
  • 待期期間と給付制限期間:自己都合退職等で給付制限がある場合、待期満了後1か月間の就職は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によるものでなければ再就職手当の対象となりません。

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よくある質問

Q: 自己都合で退職し、給付制限期間中に自分で見つけた会社に就職した場合、再就職手当はもらえますか?

A: 待期期間満了後の最初の1か月間に就職した場合は、ハローワークまたは許可・届出のある職業紹介事業者の紹介によるものでないと、原則として支給されません。 しかし、その1か月が経過した後に就職した場合は、ご自身で見つけた会社であっても他の要件を満たせば支給対象となります。

Q: 再就職手当をもらった後、すぐに会社を辞めてしまった場合、手当を返さないといけませんか?

A: いいえ、返還する必要はありません。 ただし、当然ながら就業促進定着手当は受けられません。また、再度失業状態になり基本手当を受給する場合、再就職手当の計算の基礎となった日数分は、支給を受け終わったものとして扱われます。

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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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公開日: 2026/2/26 / 更新日: 2026/4/24

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