訪問看護療養費とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

訪問看護療養費の定義

訪問看護療養費(ほうもんかんごりょうようひ)とは、病気やけがにより自宅で継続して療養が必要な状態にある被保険者(ひほけんしゃ)やその被扶養者(ひふようしゃ)が、主治医の指示に基づき、都道府県知事などが指定する訪問看護事業者(ほうもんかんごじぎょうしゃ)から訪問看護サービスを受けた場合に、その費用について行われる保険給付のことです。

健康保険法第88条に定められており、在宅での療養生活を支える重要な医療保険給付の一つです。 名前に「療養費」とありますが、療養費払い(現金給付)が原則ではなく、実際にはかかった費用から自己負担額を差し引いた額が、保険者から指定訪問看護事業者に直接支払われる「現物給付」の形式をとるのが原則です。

訪問看護療養費のポイント

社労士試験で問われる訪問看護療養費の重要ポイントを整理しましょう。

1. 支給要件

訪問看護療養費が支給されるには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • 対象者: 疾病または負傷により、居宅において継続して療養を受ける状態にあること。
  • 医師の指示: 主治医が訪問看護の必要性を認め、指示書を交付していること。
  • 事業者の指定: 都道府県知事(または地方厚生局長)の指定を受けた「指定訪問看護事業者」からサービスを受けること。
  • 保険者の認定: 最終的に、保険者が訪問看護の必要性を認めることが必要です。

2. 自己負担

利用者は、訪問看護にかかった費用の一部を自己負担します。この自己負担割合は、病院にかかった際の「療養の給付」と同じです。

  • 義務教育就学後~70歳未満:3割
  • 70歳~75歳未満:原則2割(現役並み所得者は3割)
  • 義務教育就学前:2割

もちろん、高額療養費制度の対象にもなります。

3. 介護保険との優先関係【最重要】

訪問看護は医療保険(健康保険)だけでなく、介護保険にも同様のサービスがあります。この使い分けが試験で最も狙われるポイントです。

  • 原則: 65歳以上の者(第1号被保険者)や、40歳以上65歳未満の特定疾病の者(第2号被保険者)で、要介護・要支援認定を受けている場合は、介護保険の訪問看護が優先されます。
  • 例外: たとえ要介護認定を受けていても、厚生労働大臣が定める疾病等(末期の悪性腫瘍、難病など)の利用者や、病状の急性増悪等により主治医から特別訪問看護指示書が交付された場合は、医療保険(健康保険)の訪問看護が優先されます。

【覚え方のコツ】 「介護より医療が優先されるのは、がんの末期や難病など、特に医療的なケアの必要性が高い特別なケース」とイメージで覚えておきましょう。

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訪問看護療養費」― 健保の給付、整理できてる?

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具体例で理解する訪問看護療養費

  • ケース1:医療保険が適用される例 Aさん(50歳)は、脳梗塞の後遺症で自宅療養中ですが、要介護認定は受けていません。主治医の指示により、週に2回、指定訪問看護ステーションから看護師の訪問を受け、リハビリや健康管理の指導を受けています。この場合、Aさんは40歳以上65歳未満ですが特定疾病による要介護認定を受けていないため、医療保険の訪問看護療養費が支給されます。

  • ケース2:介護保険が優先される例 Bさん(78歳)は、高血圧と糖尿病で要介護2の認定を受けています。日常生活の支援のために訪問看護を利用したいと考えています。この場合、Bさんは厚生労働大臣が定める疾病等には該当しないため、原則通り介護保険の訪問看護が優先されます。

  • ケース3:医療保険が優先される例外の例 Cさん(70歳、要介護3)は、末期がんで在宅での緩和ケアを受けています。主治医の指示に基づき、痛みのコントロールや精神的なケアのために毎日訪問看護を受けています。この場合、Cさんは要介護認定を受けていますが、「厚生労働大臣が定める疾病等」に該当するため、医療保険の訪問看護療養費が優先して支給されます。

試験対策:ひっかけに注意!

  • 介護保険との優先関係の混同 「要介護認定を受けている者は、常に介護保険が優先される」という選択肢は誤りです。上記で解説した「例外(医療保険優先のケース)」を正確に押さえましょう。

  • 「療養費」という名称からの誤解 名前に「療養費」とついていますが、原則は「現物給付」です。 「訪問看護療養費は、かかった費用の全額を被保険者が事業者に支払い、後日、保険者に申請して7割~9割の還付を受ける現金給付が原則である」という選択肢は誤りです。

  • 事業者の指定権者 指定訪問看護事業者を指定するのは「都道府県知事(または地方厚生局長)」です。「市町村長」や「厚生労働大臣」とするひっかけに注意しましょう。

  • 支給の必要性を認める者 訪問看護の「必要性を指示する」のは主治医ですが、訪問看護療養費の「支給を必要と認める」のは「保険者」です。 主語のすり替えに注意が必要です。

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よくある質問

Q: 訪問看護では、具体的にどのようなサービスを受けられますか?

A: 看護師などが自宅を訪問し、病状の観察、点滴や褥瘡(じょくそう)の処置といった医療的ケア、身体を拭いたり洗髪したりする清潔ケア、食事や排泄の介助、リハビリテーション、家族への介護相談・指導など、療養生活を支える幅広いサービスを提供します。

Q: 「訪問看護療養費」と「家族訪問看護療養費」の違いは何ですか?

A: 給付の対象者が異なります。「訪問看護療養費」は被保険者本人が訪問看護を受けた場合に支給されるのに対し、「家族訪問看護療養費」は被扶養者が受けた場合に、被保険者に対して支給されます。 給付の内容や自己負担割合は同じです。

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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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訪問看護では、具体的にどのようなサービスを受けられますか?

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公開日: 2026/3/15 / 更新日: 2026/3/23

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