一般拠出金とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

一般拠出金の定義

一般拠出金(いっぱんきょしゅつきん)とは、「石綿による健康被害の救済に関する法律」(以下、石綿健康被害救済法)に基づき、石綿(いしわた・アスベスト)による健康被害者の救済費用に充てるため、すべての労災保険適用事業主から徴収される拠出金のことです。

根拠条文は、石綿健康被害救済法第35条に定められています。

(一般拠出金の徴収及び納付義務) 第三十五条 政府は、救済給付の支給に要する費用(中略)に充てるため、第三十七条第一項に規定する一般拠出金及び第三十八条第一項に規定する特別拠出金を徴収する。 2 労災保険適用事業主は、一般拠出金を納付する義務を負う。

石綿は過去に多くの産業で広く利用されてきた経緯から、健康被害の救済にあたっては、石綿関連事業主だけでなく、社会全体で広く負担するという考えに基づき、すべての労災保険適用事業主が納付義務を負うこととされています。

一般拠出金のポイント

社労士試験対策として、一般拠出金の重要ポイントを3つに絞って解説します。

ポイント1:納付義務者は「すべての労災保険適用事業主」

一般拠出金の最大のポイントは、納付義務者の範囲です。事業の種類や規模、石綿との関連性の有無を問わず、労災保険が適用されるすべての事業主が対象となります。 例えば、IT企業や飲食店など、一見して石綿と無関係な業種でも納付義務があります。

ただし、以下の者は対象外となるため、試験では注意が必要です。

  • 労災保険の特別加入者(中小事業主や一人親方など)
  • 雇用保険のみが適用される事業主

ポイント2:拠出金率は「業種を問わず一律」

一般拠出金の率は、事業の種類にかかわらず一律で1,000分の0.02です。 労災保険料率が事業の種類ごとに細かく分かれているのとは対照的ですので、混同しないようにしましょう。また、労災保険のメリット制(事業場の災害発生率に応じて保険料率が増減する制度)の適用もありません。

ポイント3:申告・納付は「労働保険の年度更新と同時」

一般拠出金は、労働保険料ではありませんが、徴収の便宜上、労働保険料の**確定保険料**とあわせて申告・納付します。 具体的には、毎年6月1日から7月10日までに行われる「年度更新」の手続きの中で、前年度の賃金総額を基に算定した額を当年度分として納付します。

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一般拠出金」― 徴収法の計算問題、解ける?

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具体例で理解する一般拠出金

具体例を通じて、一般拠出金の計算方法を理解しましょう。

【設例】

  • 事業の種類:ソフトウェア業
  • 前年度(令和7年4月1日~令和8年3月31日)の賃金総額:5,678万9,000円

【計算方法】

  1. 算定基礎額の確定 賃金総額から1,000円未満を切り捨てます。 算定基礎額:5,678万9,000円

  2. 一般拠出金の計算 算定基礎額に一般拠出金率(0.02/1000)を乗じます。 56,789,000円 × 0.02 / 1000 = 1,135.78円

  3. 納付額の確定 計算結果の1円未満を切り捨てます。 納付額:1,135円

このように、令和8年度の年度更新(令和8年6月~7月)で納付する一般拠出金は1,135円となります。

試験対策:ひっかけに注意!

一般拠出金は、労働保険料と徴収方法が似ているため、その違いを問う「ひっかけ問題」が頻出します。以下の3点は必ず押さえておきましょう。

  1. 一般拠出金は「労働保険料」ではない! 最も重要なポイントです。一般拠出金は石綿健康被害救済法に基づくものであり、労働保険徴収法上の「労働保険料」には含まれません。 この違いから、以下の重要な差異が生まれます。

  2. 延納(分割納付)はできない! 労働保険料は一定の要件を満たせば延納(分割納付)が可能ですが、一般拠出金は労働保険料ではないため、延納の対象外です。 確定保険料とあわせて一括で納付する必要があります。

  3. 概算払いの仕組みがない! 労働保険料には、年度の初めに概算額を納付し、年度末に確定額で精算する「概算・確定」の仕組みがあります。しかし、一般拠出金は少額であることが多いため、事務負担を考慮し、概算払いの制度はなく、確定納付のみの手続きとなります。

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よくある質問

Q: なぜ石綿と直接関係のない事業主も一般拠出金を支払う必要があるのですか?

A: 石綿は過去、安価で性能が高かったため、あらゆる産業の施設や設備、機材に幅広く使用されてきました。 そのため、特定の事業者だけでなく、事業活動を行うすべての事業者が石綿の使用による経済的な恩恵を受けてきたという考え方に基づいています。 また、健康被害の原因となった企業が特定困難であったり、すでに倒産していたりするケースも少なくないため、社会全体で被害者を救済するという理念から、すべての労災保険適用事業主が負担する仕組みとなっています。

Q: 一般拠出金の率は、今後変更される可能性はありますか?

A: 可能性はあります。一般拠出金率は、石綿による健康被害の救済に必要な費用などを考慮して厚生労働大臣が定めます。実際に、平成26年4月1日に、それまでの1,000分の0.05から現在の1,000分の0.02に引き下げられた経緯があります。 試験対策上は、常に最新の率を確認することが重要です。

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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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なぜ石綿と直接関係のない事業主も一般拠出金を支払う必要があるのですか?

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公開日: 2026/3/19 / 更新日: 2026/3/19

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