一般保険料とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

一般保険料の定義

一般保険料とは、労働保険徴収法において政府が徴収する労働保険料の一種で、労働者に対して事業主が支払う賃金の総額に、一般保険料率を乗じて算定される保険料のことです。

具体的には、労災保険料と雇用保険料を合わせたものを指します。 労働保険料には、この一般保険料の他に、特別加入者のための各種特別加入保険料や、日雇労働被保険者のための印紙保険料などがありますが、最も基本となるのが一般保険料です。

根拠条文は労働保険徴収法第11条に定められています。

労働保険徴収法 第11条(一般保険料の額)

  1. 一般保険料の額は、賃金総額に次条の規定による一般保険料に係る保険料率を乗じて得た額とする。
  2. 前項の「賃金総額」とは、事業主がその事業に使用するすべての労働者に支払う賃金の総額をいう。

一般保険料のポイント

社労士試験で問われる一般保険料の重要ポイントを整理しましょう。

1. 構成と負担者

一般保険料は、労災保険料と雇用保険料で構成されます。それぞれの保険料の負担者が異なる点が最大のポイントです。

  • 労災保険料: 全額事業主負担です。労働者の負担はありません。
  • 雇用保険料: 事業主と労働者の双方で負担します。

2. 算定基礎は「賃金総額」

一般保険料は、事業主がその事業に使用するすべての労働者に支払う賃金の総額を基礎として計算されます。

  • 賃金総額に含まれるもの: 基本給、賞与、残業手当、通勤手当、扶養手当など、労働の対償として支払われるすべてのものが含まれます。
  • 賃金総額に含まれないもの: 役員報酬(労働者性が認められる部分を除く)、退職金、結婚祝金、災害見舞金、出張旅費(実費弁償的なもの)などは含まれません。

3. 保険料率

一般保険料率は、**労災保険率雇用保険率**を合計したものです。

  • 労災保険率: 事業の種類ごとに災害発生のリスクに応じて細かく定められています。例えば、事務作業中心の事業と建設現場では料率が大きく異なります。
  • 雇用保険率: 事業の種類(一般の事業、農林水産・清酒製造の事業、建設の事業)によって異なります。 2026年度(令和8年度)については、料率が引き下げられる見込みであるとの情報があります。 試験対策上は、必ず試験年度の最新の料率を確認することが重要です。

4. 【重要改正】高年齢労働者の雇用保険料免除の廃止

かつては、その年度の4月1日時点で満64歳以上の高年齢労働者は雇用保険料が免除されていました。 しかし、この免除措置は令和2年4月1日に廃止されています。 現在は、年齢にかかわらず、すべての雇用保険被保険者から雇用保険料を徴収する必要があります。 これは試験で狙われやすい法改正ポイントなので、必ず押さえておきましょう。

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具体例で理解する一般保険料

【設定】

  • 事業の種類:一般の事業
  • 従業員Aさんの賃金:月額30万円(年間360万円)
  • 会社の賃金総額:1億円
  • 保険料率(仮):労災保険率 0.3%、雇用保険料率 1.35%(労働者負担 0.5%、事業主負担 0.85%)※2026年度見込みの料率例

【計算】

  1. 労災保険料

    • 算定基礎:賃金総額 1億円
    • 保険料額:1億円 × 0.3% = 30万円
    • 負担者:全額事業主負担(30万円)
  2. 雇用保険料

    • 算定基礎:賃金総額 1億円
    • 保険料総額:1億円 × 1.35% = 135万円
    • 負担の内訳:
      • 労働者負担:1億円 × 0.5% = 50万円
      • 事業主負担:1億円 × 0.85% = 85万円
  3. 一般保険料の総額

    • 労災保険料 30万円 + 雇用保険料 135万円 = 165万円

この165万円を、事業主が年度更新の際に申告・納付します。なお、労働者負担分の50万円は、毎月の給与から天引きする形で徴収します(Aさんの場合、毎月30万円 × 0.5% = 1,500円が給与から天引きされます)。

試験対策:ひっかけに注意!

  • 「労働保険料」と「一般保険料」の混同 労働保険料は、一般保険料、特別加入保険料、印紙保険料などをすべて含んだ総称です。 「労働保険料は労災保険料と雇用保険料からなる」という選択肢は、特別加入保険料などが抜けているため不正確です。一般保険料の説明か、労働保険料全体の説明か、問題文を正確に読み取りましょう。

  • 高年齢労働者の免除規定 前述の通り、高年齢労働者の雇用保険料免除は廃止されています。 古い知識のままだと失点に繋がるため、最新の法改正情報で知識をアップデートしておくことが不可欠です。

  • 労災保険料の負担者 「労災保険料は労使折半で負担する」といった選択肢は誤りです。労災保険は事業主の災害補償責任を保険化したものであるため、保険料は全額事業主負担です。

  • 賃金総額の範囲解雇予告手当は賃金総額に含まれる」といった選択肢は誤りです。 何が賃金総額に含まれ、何が含まれないのか、具体的な項目を正確に覚えておく必要があります。

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よくある質問

Q: パートタイマーやアルバイトの賃金も一般保険料の算定基礎に含まれますか?

A: はい、含まれます。雇用形態にかかわらず、雇用保険や労災保険の適用事業所で使用されるすべての労働者に支払われる賃金が「賃金総額」の対象となります。 したがって、パートタイマーやアルバイトであっても、支払われた賃金は算定基礎に含めて保険料を計算する必要があります。

Q: 役員の報酬は一般保険料の算定基礎に含まれますか?

A: 原則として、法人の代表者や業務執行権を持つ役員の報酬は「賃金」とはみなされないため、算定基礎に含まれません。ただし、役員であっても工場長や部長などを兼務し、労働者としての側面が強く、労働の対償として賃金を得ている部分については、その部分のみ算定基礎である「賃金総額」に含まれる場合があります。

Q: 2026年度の正確な保険料率はいつ公表されますか?

A: 労災保険率や雇用保険料率は、通常、年度が始まる前に厚生労働省から正式に告示されます。2026年度の料率については、2025年の末から2026年の初頭にかけて情報が公表されることが通例です。社労士試験の学習においては、厚生労働省の発表など、信頼できる情報源から最新の料率を必ず確認するようにしてください。

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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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パートタイマーやアルバイトの賃金も一般保険料の算定基礎に含まれますか?

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公開日: 2026/2/15 / 更新日: 2026/4/24

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