労働保険の届出・手続きとは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

労働保険の届出・手続きの定義

労働保険の届出・手続きとは、労働保険徴収法(ろうどうほけんちょうしゅうほう)に基づき、事業主が行う一連の手続きのことです。具体的には、労働者(パート・アルバイトを含む)を一人でも雇用し、労働保険の適用事業となった場合に、その保険関係の成立から消滅まで、そして毎年度の労働保険料の申告・納付に関する手続き全般を指します。

これらの手続きは、労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険の制度を運営するための根幹となるものであり、事業主の義務として法律で定められています。

労働保険の届出・手続きのポイント

社労士試験では、各届出の「提出先」「提出期限」「提出事由」が頻繁に問われます。特に数字や起算日は正確に暗記する必要があります。主要な手続きをしっかり整理して覚えましょう。

届出・手続きの種類提出事由提出期限提出先(原則)
保険関係成立届労働保険の保険関係が成立したとき保険関係が成立した日から10日以内所轄労働基準監督署または 所轄公共職業安定所長
概算保険料申告書保険関係が成立したとき保険関係が成立した日から50日以内所轄都道府県労働局、労働基準監督署、日本銀行等
年度更新<br>確定保険料・概算保険料申告)毎年度毎年6月1日~7月10日まで所轄都道府県労働局、労働基準監督署、日本銀行等
名称、所在地等変更届事業の名称・所在地等に変更があったとき変更があった日の翌日から起算して10日以内届出済みの行政官庁
保険関係消滅届事業を廃止・終了したとき保険関係が消滅した日の翌日から起算して10日以内所轄労働基準監督署長 または 所轄公共職業安定所長
増加概算保険料申告書賃金総額の見込額が当初の2倍を超え、かつ、概算保険料額が13万円以上増加するとき増加が見込まれた日の翌日から起算して30日以内所轄都道府県労働局、労働基準監督署、日本銀行等

【覚え方のコツ】

  • 成立と申告のセット: 新規に事業を開始した場合、「成立(10日)したら、ゴーゴー(50日)保険料」とセットで覚えましょう。まず成立届を10日以内に出し、次に概算保険料申告書を50日以内に出すと流れで記憶します。
  • 起算日: 「成立」だけは「その日から」、「変更」や「消滅」は「翌日から」と区別して覚えましょう。

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具体例で理解する労働保険の届出・手続き

【ケース:株式会社を設立し、初めて従業員を1名雇用した場合(一元適用事業)】

  1. 従業員を雇用した日(保険関係成立日)から10日以内に…

    • 保険関係成立届」を所轄の労働基準監督署へ提出します。
    • 同時に、雇用保険の手続きとして「雇用保険適用事業所設置届」と「雇用保険被保険者資格取得届」を所轄の**ハローワーク(公共職業安定所)**へ提出します。
  2. 保険関係成立日から50日以内に…

    • その年度末(3月31日)までの賃金総額の見込額で「概算保険料申告書」を作成し、労働保険料を申告・納付します。
  3. 翌年度以降

    • 毎年6月1日から7月10日の間に「年度更新」の手続きを行います。 これは、前年度の保険料を確定させて差額を精算し、新年度の概算保険料を納付する手続きです。

試験対策:ひっかけに注意!

  • 期限の数字の混同

    • 「10日」「30日」「50日」など、手続きごとに異なる期限の数字を入れ替える問題は定番です。上記の表で正確に覚えましょう。
  • 起算日の間違い

    • 「保険関係成立届」の期限は「成立した日から10日以内」ですが、「名称、所在地等変更届」は「変更があった日の翌日から10日以内」です。この「から」と「翌日から」の違いを明確に区別してください。
  • 提出先の混同

    • 「保険関係成立届」は労基署またはハローワークですが、「概算保険料申告書」の提出・納付先は都道府県労働局や日本銀行なども含まれます。 また、一元適用事業か二元適用事業(建設業など)かによって提出先が異なる点も重要です。
  • 増加概算保険料の要件

    • 賃金総額が「2倍を超え」かつ「保険料額が13万円以上増加」という2つの要件を両方満たす必要があります。片方だけでは提出義務は生じない、という点が狙われます。

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よくある質問

Q: 従業員がパートやアルバイトだけでも、労働保険の届出は必要ですか?

A: はい、原則として必要です。労働者を一人でも雇用すれば、労働保険の適用事業所となり、「保険関係成立届」の提出義務が生じます。労災保険はすべての労働者が対象です。雇用保険については、週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがあるなど、別途加入要件を満たす場合に被保険者となります。

Q: 届出が遅れてしまった場合、どうなりますか?

A: 法律で定められた届出を怠った場合、行政庁が職権で保険関係の成立を決定することがあります。その場合、過去に遡って労働保険料を徴収されるほか、追徴金が課される可能性があります。また、手続きをしない間に労災事故が発生した場合、事業主が保険給付にかかった費用の一部を徴収されることもありますので、速やかに手続きを行う必要があります。

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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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公開日: 2026/3/26 / 更新日: 2026/4/24

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