特別加入保険料とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

特別加入保険料の定義

特別加入保険料とは、労働者ではないものの、業務の実態から労働者に準じて保護することが適当と認められる者(特別加入者)が、労災保険に任意で加入する際に納付する保険料のことです。

労働保険徴収法第10条では、政府が徴収する労働保険料の一つとして、一般保険料などと並んで「第一種特別加入保険料」「第二種特別加入保険料」「第三種特別加入保険料」が定められています。

特別加入者は、その種別によって以下の3つに区分され、それぞれに対応する特別加入保険料を納付します。

  • 第一種特別加入者:中小事業主およびその事業に従事する者(家族従事者など)
  • 第二種特別加入者:一人親方(ひとりおやかた)その他自営業者およびその事業に従事する者
  • 第三種特別加入者:海外に派遣される者

特別加入保険料のポイント

社労士試験で最も重要なのは、一般の労働保険料との計算方法の違いです。この点をしっかり押さえましょう。

計算方法

特別加入保険料は、以下の式で計算されます。

特別加入保険料 = 保険料算定基礎額 × 特別加入保険料率

① 保険料算定基礎額

一般の労働保険料が「賃金総額」を基礎とするのに対し、特別加入保険料は「保険料算定基礎額」を基礎とします。これは、特別加入者には労働基準法上の「賃金」がないためです。

保険料算定基礎額は、特別加入者自身が選択する**給付基礎日額(きゅうふきそにちがく)**に基づいて決まります。

保険料算定基礎額 = 給付基礎日額 × 365日

  • 給付基礎日額: 労災保険の給付額を算定する基礎となるもので、特別加入を希望する者の所得水準に見合った適正な額を、厚生労働大臣が定める範囲内(3,500円から25,000円までの16段階など)から選択し、労働局長に申請して承認を受けます。

② 特別加入保険料率

特別加入保険料率は、特別加入者の種別ごとに定められています。

  • 第一種特別加入保険料率: 原則として、その中小事業主が行う事業に適用される**労災保険率と同一**です。 正確には、労災保険率から二次健康診断等給付に要した費用を考慮した率を減じますが、この率は「0」と定められているため、結果的に労災保険率と同一になります。
  • 第二種特別加入保険料率: 事業または作業の種類に応じて定められます。
  • 第三種特別加入保険料率: 事業の種類にかかわらず、一律の率(例:1000分の3)が定められています。

覚え方のコツ

特別加入は給料なし!だから自分で『給付基礎日額』を選んで365日分を基礎にする」と覚えましょう。一般保険料の「賃金総額」との対比を常に意識することが重要です。

📝

特別加入保険料」― 徴収法の計算問題、解ける?

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具体例で理解する特別加入保険料

【例:小売業の中小事業主(第一種特別加入者)】

  • 事業に適用される労災保険率:3/1000
  • 選択した給付基礎日額:10,000円
  1. 保険料算定基礎額を計算 10,000円 × 365日 = 3,650,000円

  2. 年間保険料を計算 3,650,000円 × 3/1000 = 10,950円

この事業主は、年間の特別加入保険料として10,950円を、雇用する労働者の一般保険料と合わせて申告・納付することになります。

試験対策:ひっかけに注意!

特別加入保険料は、一般保険料との違いを問うひっかけ問題が頻出です。以下のポイントに注意してください。

  • 算定基礎のひっかけ × 誤:特別加入保険料は、特別加入者の賃金総額に保険料率を乗じて算定する。 ○ 正:特別加入保険料は、保険料算定基礎額(給付基礎日額 × 365)に保険料率を乗じて算定する。

  • 保険料率のひっかけ × 誤:第一種特別加入保険料率は、労災保険率に通勤災害に係る災害率を加味して定められる。 ○ 正:第一種特別加入保険料率は、労災保険率から二次健康診断等給付に要した費用に係る率を減じて定められる(結果として労災保険率と同一)。

  • 適用保険のひっかけ × 誤:特別加入保険料には、労災保険料分と雇用保険料分が含まれる。 ○ 正:特別加入制度労災保険のみの制度です。したがって、特別加入保険料に雇用保険料は含まれません。

  • 給付基礎日額の変更時期のひっかけ × 誤:給付基礎日額は、年度の途中でもいつでも変更できる。 ○ 正:給付基礎日額は、原則として年度の途中では変更できません。 変更を希望する場合は、次年度の年度更新の際に申請を行う必要があります。

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よくある質問

Q: 中小事業主が特別加入する場合、その事業主の役員報酬は一般保険料の算定基礎となる「賃金総額」に含まれますか?

A: いいえ、含まれません。事業主や役員などの特別加入者の保険料は、あくまで選択した給付基礎日額に基づく「特別加入保険料」として、労働者の賃金総額とは別に計算されます。

Q: 年度の途中で特別加入した場合や、途中でやめた場合、保険料はどのようになりますか?

A: 保険年度の中途で特別加入した場合や加入者でなくなった場合は、保険料算定基礎額を月割りで計算します。 例えば、10月1日に加入した場合、その年度の保険料は6ヶ月分(10月〜翌3月)で計算されます。

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※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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中小事業主が特別加入する場合、その事業主の役員報酬は一般保険料の算定基礎となる「賃金総額」に含まれますか?

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公開日: 2026/3/5 / 更新日: 2026/3/11

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