被保険者の種類(厚年)とは?社労士試験の重要ポイントを徹底解説

被保険者の種類(厚年)の定義

厚生年金保険法における被保険者とは、原則として「適用事業所に使用される70歳未満の者」を指します。この被保険者は、勤務する事業所や加入する共済組合等の違いにより、次の4つの種類に区分されています。これを「被保険者の種別」といいます。

  • 第1号厚生年金被保険者
    • 主に民間の会社員などが該当します。第2号、第3号、第4号のいずれにも該当しない被保険者は、すべて第1号となります。
  • 第2号厚生年金被保険者
    • 国家公務員共済組合の組合員が該当します。
  • 第3号厚生年金被保険者
    • 地方公務員等共済組合の組合員が該当します。
  • 第4号厚生年金被保険者
    • 私立学校教職員共済制度の加入者が該当します。

この区分は、2015年(平成27年)10月1日に施行された「被用者年金一元化法」により、それまで分かれていた共済年金が厚生年金に統一されたことに伴い設けられました。 これにより、異なる制度に加入していた公務員や私学教職員も厚生年金の被保険者として扱われることになりましたが、それぞれの実施機関(年金の決定や支給事務を行う機関)が異なるため、種別が分けられています。

被保険者の種類(厚年)のポイント

社労士試験対策として、以下のポイントをしっかり押さえましょう。

  • 4つの種別の覚え方

    • 「1号は民間、2号は国、3号は地方、4号は私学」と、キーワードで簡潔に覚えるのが効果的です。試験では、具体的な職業を挙げてどの種別に該当するかを問われる可能性があります。
  • 被保険者の大前提

    • どの種別であっても、「適用事業所に使用される」「70歳未満の者」という基本要件を満たす必要があります。 70歳に達すると、誕生日の前日に被保険者資格を喪失します。
  • 70歳以上の取扱い

    • 70歳以上で適用事業所に引き続き使用される場合、被保険者資格は喪失しますが、「70歳以上被用者」として扱われます。 この場合、厚生年金保険料の負担はありませんが、老齢厚生年金を受給している場合は在職老齢年金制度の対象となり、報酬額に応じて年金額が調整(支給停止)されることがあります。
  • 短時間労働者の適用拡大

    • パートやアルバイトであっても、正社員の4分の3以上の労働時間・日数があれば被保険者となります。それに満たない場合でも、以下の要件をすべて満たす短時間労働者は被保険者となります。
      1. 週の所定労働時間が20時間以上
      2. 所定内賃金が月額8.8万円以上
      3. 2か月を超える雇用の見込みがある
      4. 学生でない
      5. 厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業に勤務している
    • なお、法改正により、企業規模要件は段階的に撤廃され、賃金要件も将来的に廃止される方向で議論が進んでいます。 2026年度の試験では最新の動向に注意が必要です。

被保険者の種類(厚年)」― 厚年の加給年金、条件を覚えてる?

全問解説付き・無料の社労士過去問アプリ

いますぐ過去問を解くApp Store / Google Play 対応

具体例で理解する被保険者の種類(厚年)

  • Aさん(35歳): IT企業(株式会社)の正社員 → 第1号厚生年金被保険者
  • Bさん(45歳): 財務省に勤務する国家公務員 → 第2号厚生年金被保険者
  • Cさん(52歳): 都道府県庁に勤務する地方公務員 → 第3号厚生年金被保険者
  • Dさん(60歳): 私立大学の教授 → 第4号厚生年金被保険者
  • Eさん(68歳): Aさんと同じIT企業で、短時間労働者の適用拡大要件を満たして働くパートタイマー → 第1号厚生年金被保険者
  • Fさん(72歳): Aさんと同じIT企業で、役員として週3日勤務 → 厚生年金保険の被保険者ではないが、70歳以上被用者に該当

試験対策:ひっかけに注意!

  • 国民年金の被保険者種別との混同

    • 最重要注意点です。 厚生年金の「第1号~第4号」と、国民年金の「第1号~第3号」は全く別の概念です。厚生年金の被保険者(第1号~第4号のいずれか)は、同時に**国民年金の第2号被保険者**となります。 この関係性を正確に理解していないと、選択式・択一式ともに失点につながります。
  • iDeCo(イデコ)の加入者区分との混同

    • 個人型確定拠出年金iDeCoにも加入者区分がありますが、これは国民年金の被保険者種別をベースにしています。例えば、iDeCoの「第1号加入者」は国民年金の第1号被保険者を指します。 厚生年金の種別とは直接関係ありません。
  • 保険料や給付内容の違い

    • 被用者年金一元化により、保険料率や基本的な給付(老齢厚生年金、障害厚生年金遺族厚生年金)の計算方法は、どの種別でも同じ厚生年金制度に統一されています。 ただし、一元化前の共済組合期間については、経過措置として「職域加算額」に相当する部分が「退職共済年金」として上乗せされる場合があります。

ここまでの知識、過去問で試してみませんか?

読んだ内容がそのまま出題されます。解説付きで理解度を確認できます。

よくある質問

Q: パートタイマーですが、夫の扶養(国民年金第3号被保険者)から外れて厚生年金に加入しないといけないのでしょうか?

A: パート先での労働時間や賃金、勤務先の企業規模などが、短時間労働者の適用要件を満たす場合は、ご自身の意思にかかわらず厚生年金の被保険者(同時に国民年金の第2号被保険者)となり、ご自身で保険料を負担することになります。その結果、配偶者の扶養から外れ、国民年金の第3号被保険者ではなくなります。

Q: 70歳になったら、年金保険料はもう払わなくてよいのですか?

A: はい、70歳に達すると厚生年金の被保険者資格を喪失するため、厚生年金保険料の負担はなくなります。 ただし、70歳以降も会社員として働き、一定以上の報酬を得ている場合、受け取る老齢厚生年金が一部または全部支給停止となる「在職老齢年金」の仕組みは適用されます。

この用語に関連する過去問に挑戦

この用語の理解度をチェックしましょう。社労士過去問クイズアプリで関連する過去問を解くことができます。

過去問に挑戦する


※ この記事は2026年度社労士試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

被保険者の種類(厚年)」の理解度をチェック

社労士過去問クイズ 2026

社労士過去問クイズ 2026 - AI解説機能のアプリ画面
腕試しこの用語から出題

パートタイマーですが、夫の扶養(国民年金第3号被保険者)から外れて厚生年金に加入しないといけないのでしょうか?

厚生年金保険法だけで120問以上
全問解説付き・完全無料
2026年試験対応

公開日: 2026/3/6 / 更新日: 2026/4/24

厚生年金保険法の他の記事

厚生年金基金とは?制度の経緯と存続基金

厚生年金基金(こうせいねんきんききん)とは、企業が単独または複数で設立する法人である制度です。厚生年金保険法第9章に規定されています。重要: 2014年(平成26年)4月の法改正により、厚生年金基金の新規設立は禁止されました。社労士試験で問われる要件やポイントを具体例とともに解説します。

養育期間みなし措置とは?年金額を守る仕組み

養育期間の従前標準報酬月額みなし措置(よういくきかんのじゅうぜんひょうじゅんほうしゅうげつがくみなしそち)とは、3歳未満の子を養育する被保険者の標準報酬月額が、養育前よりも低下した場合にを解説します。社労士試験で問われる要件やポイントを具体例とともに解説します。

支給停止調整額とは?在職老齢年金の計算

支給停止調整額(しきゅうていしちょうせいがく)とは、在職老齢年金の仕組みにおいて支給される制度です。厚生年金保険法第46条に規定されています。支給停止調整額のポイント1. 支給停止調整額の額支給停止調整額は現在50万円です(2024年度〜)。

障害者特例とは?適用要件と44年特例との違い

障害者特例(しょうがいしゃとくれい)とは、特別支給の老齢厚生年金の受給権者である制度です。厚生年金保険法附則第9条の2に規定されています。自動的に適用されるわけではないため、対象者は年金事務所で手続きが必要です。社労士試験で問われる要件やポイントを具体例とともに解説します。

44年特例とは?定額部分加算の要件と対象者

44年特例(よんじゅうよねんとくれい)とは、以下に解説する制度です。厚生年金保険法附則第9条の3に「長期加入者の特例」として規定されています。このため、報酬比例部分のみが支給される期間が生じます。社労士試験で問われる要件やポイントを具体例とともに解説します。退職して被保険者資格を喪失した翌月から適用されます。

老齢基金対象期間とは?厚生年金基金の加入期間と年金額への影響

老齢基金対象期間(ろうれいききんたいしょうきかん)とは、厚生年金基金(こうせいねんきんききん)の加入員であった被保険者期間のことを指します。厚生年金基金は、国の老齢厚生年金の一部(代行部分)を国に代わって支給するとともに、企業が独自に上乗せ給付(プラスアルファ部分)を行う制度でした。

標準報酬月額の上限と下限とは?厚年32等級・健保50等級の等級表を解説

標準報酬月額(ひょうじゅんほうしゅうげつがく)とは、厚生年金保険や健康保険の保険料額や、将来受け取る年金額を計算する基礎となる金額のことです。被保険者が事業主から受け取る給料などの報酬の月額を、一定の範囲(等級)で区分したものをいいます。この金額は必ず暗記してください。

報酬比例部分とは?計算式(本則・従前額保障)と平均標準報酬の求め方

報酬比例部分とは、老齢厚生年金の中心となる年金額で、厚生年金保険の被保険者期間中の報酬(給与や賞与)と加入期間に基づいて計算される部分のことです。この報酬比例部分は、老齢厚生年金だけでなく、障害厚生年金や遺族厚生年金の額を計算する際の基礎にもなります。

他の科目で学ぶ